足利義満は国内を統一して、日本国の骨格を創った傑物なのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2980)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年6月14日号】
情熱的読書人間のないしょ話(2980)
ハクセキレイ(写真1、2)、その幼鳥(写真3~5)をカメラに収めました。クジャクサボテン(写真6)が咲いています。今朝は、カワラヒワ(写真7)の囀りで目が覚めました。
閑話休題、『足利義満』(森茂暁著、角川選書)で著者が主張したいことは、私なりにまとめると、この3つになります。
第1は、南北朝を合体させ公武統一政権を樹立し、室町幕府体制を確立した足利義満の政治手法は一筋縄ではいかない、強かなものである。
第2は、義満には、それまでの将軍には見られない、専制君主としての凄みがある。著者は、全盛期の義満のイメージは60年前の後醍醐天皇のそれと重なるとまで言っています。
第3は、義満は皇位簒奪を企てていたとする説は正しくなく、日本の歴史上の傑物の一人と評価すべきである。著者は、「国内を統一して、日本国の骨格を創った傑物」と表現しています。
これらの主張が古文書などの史料の綿密な検証によって裏付けられているので、説得力があります。