MRは、本当にやりがいのある仕事なのか・・・【あなたの人生が最高に輝く時(4)】
MRの業務
あなたがなりたいと考えているMR(医薬情報担当者)は、本当にやりがいのある仕事なのだろうか。
MR(Medical Representative)の業務は、①医療機関(大学病院、基幹病院、中小病院、診療所<開業医>、調剤薬局など)を訪問(面談)し、自社の医療用医薬品(医師の処方箋によって使用される医薬品)を中心とした医薬情報(医薬品、ならびにその関連情報)を医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、理学療法士、放射線技師、栄養士、ソーシャルワーカー、医療クラーク、事務長など)に提供し、医薬品の適正な使用と普及を図る、②使用された医薬品の有効性情報(効能・効果や効果的な使用法など)や安全性情報(副作用など)を、医療の現場から収集して所属する製薬企業に報告する、③医療現場から得られた情報を正しい形で医療関係者にフィードバック(伝達)する――の3つである。一言で言えば、製薬企業を代表して、情報を提供・収集・伝達する使命を負っているのだ。
MRを雇用形態で分けると、製薬企業の社員である製薬企業MRと、CSO(MR業務受託・派遣業)の社員で、契約先の製薬企業においてMR活動を行うコントラクトMR(CMR)とがある。
MRを担当する製品のライフ・サイクルで分けると、新薬を担当するMR、後発医薬品(ジェネリック医薬品)を担当するMR、長期収載品を担当するMRがある(この混合タイプもある)。
MRを担当する医療機関の規模で分けると、大学病院を担当するMR、基幹病院を担当するMR、中小病院を担当するMR、診療所を担当するMR、調剤薬局を担当するMRがある(この混合タイプもある)。
MRを経験に基づく役割で分けると、特定の大学病院や基幹病院をメインで担当するMRと、特定の大学病院や基幹病院をサブで担当するMRとがある(この混合タイプもある)。
MRを担当する製品の疾患領域で分けると、特定の医療機関や特定のエリア(地域)で幅広い疾患領域の多数の品目を担当するジェネラルMRと、特定の医療機関や特定のエリアで特定の疾患領域の少数の品目を担当する専門MR(オンコロジー<がん>領域専門MR、CNS<中枢神経系>領域専門MRなど)とがある(この混合タイプもある)。
MRに求められていること
MRには2つのことが求められている。その1つは、医薬品が適正に使用されるよう、医療関係者の診療活動に役立つ信頼性の高い情報を提供・収集・伝達するという社会的使命を果たすこと。MRが日々接するのは医療関係者だが、その背後には疾病と闘っている患者がいるということを忘れてはならない。
もう1つは、自社医薬品の普及を図ること、すなわち担当医療機関や担当エリアにおける営業目標を達成するという、製薬企業の営業担当者としての責任を果たすこと。因みに、他業界の営業職と異なる点として、MR活動には製品代金の回収業務が含まれていないことが挙げられる(回収業務は卸<問屋、代理店>のMS
遂に夢を実現した女性MR
医療用栄養食品企業の営業で頑張っていたMさんが、間近で活躍しているMRを見て「私もMRになりたい」とCSOの門を叩いたのは、29歳の時のことであった。そして、MR認定試験をクリアし、契約先の内資系製薬企業のジュネラルMRとして好成績を上げていた3年目のMさんに、転機が訪れる。
その責任感の強さを、少しはにかんだような笑顔で包んでMR活動に取り組むMさんは、担当する診療所の先生方の人気者であったが、「いつの日かオンコロジー専門MRとして活躍してみたい」という夢を胸に秘めていたのだ。
所属するCSOの綿密なカリキュラムに基づく3カ月間に亘るオンコロジー専門教育――がんの基礎教育から最新の治療戦略といった実践教育まで――を受講後、現在の契約先の外資系大手製薬企業のオンコロジー専門MRとしてイキイキと活躍中のMさんに対する製薬企業幹部の評価は、すこぶる高い。Mさんは「専門医との面談を通じ、がんで苦しんでいる患者さんのお役に立ちたい」と、最新情報の摂取、専門知識のレヴェル・アップに日々、励んでいる。