榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

知の巨人たちが追い求めたもの・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3268)】

【読書クラブ 本好きですか? 2024年3月27日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3268)

不鮮明だがテングチョウ(写真1)、メジロ(写真2)、ムクドリ(写真3)、ツグミ(写真4)、ヒヨドリ(写真5)をカメラに収めました。サラサモクレン(モクレンとハクモクレンの交雑種。写真6~8)、ギンヨウアカシア(ミモザ。写真9)、オウバイモドキ(ウンナンオウバイ。写真10)、フサザキズイセン(写真11)が咲いています。我が家では、ユキヤナギ(写真12)が見頃を迎え、フクロナデシコ(写真13)が咲き始めました。因みに、本日の歩数は11,776でした。

閑話休題、『教養の人類史――ヒトは何を考えてきたか?』(水谷千秋著、文春新書)の著者は、教養とは、仕事に必要だからとか試験勉強や資格取得のために必要だからとかではなく、自身が知りたいから読み、触れ、観察するものだと述べています。私も同意見です。

人類史が手際よく綴られているが、とりわけ私の印象に残ったのは、松本清張について論じた件(くだり)です。

「立花隆、司馬遼太郎、井筒俊彦に劣らぬ旺盛な知識欲の持ち主として、私はもう一人の作家を思い出さずにはいられません。松本清張です。この昭和を代表する文豪の関心の対象は、きわめて広いものがありました。有名な戦後の社会派推理小説の祖というにとどまらず、明治から太平洋戦争、戦後の占領期に至る日本近現代史の暗部を探究したジャーナリスト、歴史家の貌(かお)も、また日本古代史について当時のアジアのなかで捉え、自由にイメージを広げ追究した古代史家の貌もありました」。

「五木寛之が清張との対談で、その著作の幅の広さ、貪欲さに感心し、これほどまでに幅広い仕事に駆り立てている『燃える源泉みたいなもの』は何なのかと尋ねています。清張は、『それは好奇心ということだけだよ』と答え」ています。

「清張は、権力によって真実が覆い隠されること、エリートの権力によって下積みの人々の努力が無にされることに何よりも強い憤りを覚えました」。

よくぞ、言ってくれたと、著述家としても人間としても清張を尊敬している私は大満足です。