ダーウィンがガラパゴス諸島でダーウィンフィンチ類に出会い自然選択説を思いついたというエピソードは捏造されたものだった・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3293)】
ハナミズキ(写真1~4)、フジ(写真5~7)が咲いています。セイヨウカナメモチ(レッドロビン)とクルメツツジ(キリシマツツジ)が赤さを競っています(写真8、9)。我が家の庭師(女房)から、エビネ(写真10、11)、ボンザマーガレット(写真12)、ミヤコワスレ(写真13)、シバザクラ(写真14)、白いクルメツツジ(キリシマツツジ。写真15)が咲き始めたわよ、との報告あり。赤いクルメツツジ(キリシマツツジ。写真16)は見頃を迎えています。
閑話休題、『鳥が人類を変えた――世界の歴史をつくった10種類』(スティーヴン・モス著、宇丹貴代実訳、河出書房新社)には、腰が抜けるほど驚くべきことが書かれています。
チャールズ・ダーウィンがガラパゴス諸島で、いわゆるダーウィンフィンチ類に出会い、自然選択説を思いついたという、進化論史上に燦然と輝くドラマティックなエピソードは、人々が捏造したもので、ダーウィン自身は『種の起源』にそんなことは記していないというのです。
ビーグル号で航海した時のダーウィンは、フィンチ類とその仲間が共通の祖先を持つとはおよそ考えてもみなかったし、それらをきちんと分類していなかったので、1年後の1836年10月にイギリスに帰国した時、どの標本をどの島で採集したのか区別がつかなかったのです。
ところが、彼は思いがけない幸運に恵まれます。その後、ダーウィンフィンチ類を調査・研究した研究者たちによって、これらの鳥が自然選択説を最もうまく説明する実例であることが明らかにされたからです。
これだけでも驚くべきことだが、本書には、さらに驚くべきことが書かれています。ガラパゴス諸島のフィンチ類を40年以上、詳しく調べてきたピーター・グラントとローズマリー・グラント夫妻は、進化は何百年、何千年もかけて起きると思われてきたのに、1年足らずのうちにフィンチ類に進化的な大変化が生じた実例を目撃するという幸運に恵まれたのです。