榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

河東碧梧桐の俳句は変化していったことが分かる一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3412)】

【僕らは本好き読書隊 2024年8月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3412)

サンゴジュ(写真1)が実を付けています。デュランタ・レペンス(写真2)が咲いています。

閑話休題、『河東碧梧桐の百句――<写生分>の精神』(秋尾敏著、ふらんす堂)のおかげで、河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)の俳句が変化していったことが分かりました。

とりわけ印象に残った句を挙げてみましょう。

●手負猪萩に息つく野分かな

●卓の上に梅活けてあり夜学の灯

●其角夏痩せして嵐雪の笑ふべく

●芭蕉忌や淋しいほどにうづくまる

●鞍とれば寒き姿や馬の尻

●脇僧の寒げに暗し薪能

●主人なき庭なれば野分吹き荒らせ

●髪梳き上げた許りの浴衣で横になつてるのを見まい

●炭斗(すみとり)があつた正しく坐つてゐるのでした

●ぬる湯ぶねの眠気ざましを一人でじやぶじやぶ

●便通(ツウ)じてよきを秋(ヒル)らし光(カゲ)を机(シゴト)に向ふ