榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

伊集院光の「無知との遭遇」・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3442)】

【読書の森 2024年9月15日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3442)

ハクセキレイ(写真1)、バン(写真2、3)、若鳥(写真4、5)、ダイサギ(写真6、7)。ハラビロカマキリ(写真8)をカメラに収めました。コムラサキ(写真9、10)、シロミノコムラサキ(写真11、12)が実を付けています。因みに、本日の歩数は11,941でした。

閑話休題、NHK・Eテレで放送中の「100分de名著」シリーズは、極力、見逃さないようにしています。取り上げられた名著に対する専門家の解説が大変勉強になる上に、準司会役の伊集院光の思いがけないコメントに大きく頷くことがしばしばだからです。

名著の話――僕とカフカのひきこもり』(伊集院光著、KADOKAWA)は、放送後の伊集院と専門家の対談集です。

フランツ・カフカの『変身』を巡る対談でも、伊集院の魅力が遺憾なく発揮されています。

●この現象(=専門家が伊集院のユニークな解釈に驚く現象)を、僕は「無知との遭遇」と呼んでいる。あまりに高いレベルで知的交流をしている人が、あまりに低いレベルの考えに触れたときに起こるビッグバン的な現象のことだ。

●僕は、「虫=役に立たない」というキーワードを(専門家から)与えられたら、ありとあらゆることがわーってわかってきて、途中で多少むずかしい表現は出てきてるんだけど、あまり気にならないんですよ。

●僕は、カフカに安定恐怖症みたいなものを感じるんですよ。

対談相手の専門家(川島隆)の言葉も挙げておきましょう。

●いまの伊集院さんの読み方のように、人生のいろいろな局面で、まったく別の読み方ができてしまうのも『変身』の面白さなんです。

私は、ここぞという場面で、燻し銀の発言で驚かせてくれる伊集院の隠れファンです。