榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

作家たちに人気が高い作家は誰だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3450)】

【読書の森 2024年9月21日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3450)

植物観察会では、昆虫も観察することができました。ツマグロヒョウモンの雄(写真1)、ヒメアカタテハの幼虫(写真2、3)、オオハキリバチ(写真4)、キアシトックリバチの巣(写真5)、コマユバチ科の一種のものと思われる繭(写真6)、チュウゴクアマガサハゴロモ(写真7)、トノサマバッタの褐色型(写真8)、ヒナバッタ(写真9)、オンブバッタの褐色型(写真10)、ナナホシテントウ(写真11、12)をカメラに収めました。巣があるフジバカマで吸蜜するキアシトックリバチの撮影には失敗(涙)。

閑話休題、『作家の読書道(3)』(Web本の雑誌編、本の雑誌社)を読んでワクワクするのは、語られている作家たちの読書体験を共有できるからです。インタヴュアーのストレートな質問に、作家たちもストレートに答えていて、好感が持てます。

●道尾秀介
(連城三紀彦さんの)『戻り川心中』の光文社文庫版は、千街晶之さんが解説を書かれている。僕はそれを読んだ時、生まれて初めて、解説で泣いたんです。それぞれの事件の犯人たちが、たとえば別の人間を犯人に仕立て上げたり、状況を操作したりしていることを、「幻の花を咲かせる」という言葉にしているんですけれど、「人生のすべてを賭けて咲かせた幻の花。たとえ罪深く彩られていようとも、その値打ちが重くない筈があろうか」。その一文を読んだ時は、感動して涙が止まりませんでした。

●中島京子
金井(美恵子)さんの作品は『タマや』や『小春日和』などの目白ものが好き。これは何度も繰り返して読んでいます。

●豊島ミホ
(山口勇子文、四国五郎絵の)『おこりじぞう』というのがあって、優しい顔をしたお地蔵さんがいるんだけれど、原爆で溶けて怒った顔になる、という話だったのをよく覚えています。

古川日出男さんの『gift』。もう、これだ!!!と思いました。小説ってこんなに面白かったんだ、って。(19編の中で好きなのは)女の子が踊りだす「雨」とか、あとお台場が水没する「台場国、建つ」かな。

――『作家の読書道』シリーズの3冊を読み終えて、作家たちの間で金井美恵子、連城三紀彦、コリン・ウィルソンの人気が高いことが分かりました。