作家たちの読書体験を共有できる一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3448)】
植物観察会に参加しました。ヒガンバナ(写真1)、シロバナマンジュシャゲ(写真2)、フジバカマ(写真3~5)、セイバンモロコシ(写真6、7)、ヒレタゴボウ(写真8)、アキカラマツ(写真9)、ハコベホオズキ(写真10、11)が咲いています。エノキグサが雄花(写真12)、雌花と実(写真13)を付けています。因みに、本日の歩数は16,699でした。
閑話休題、『作家の読書道(みち)』(Web本の雑誌編、本の雑誌社)を読んでワクワクするのは、語られている作家たちの読書体験を共有できるからです。インタヴュアーのストレートな質問に、作家たちもストレートに答えていて、好感が持てます。
●歌野晶午
衝撃を受けた作品といえば、短編ですが、ロナルド・ノックスの「密室の行者」。『世界短編傑作集(3)』で読みました。
●北方謙三
(書庫には)懐かしい本がいっぱいあるよ。たとえば、コリン・ウィルソンの『アウトサイダー』とか。これは、高校生の時に、国語の先生が「お前にちょうどいい」って言ってすすめてくれた本。
――北方が、長年、繰り返し、ジョージ・ギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』を読んでいると知り、意外な感がしました。北方とは読書観が異なる私も『ヘンリ・ライクロフトの私記』を繰り返し読んでいるからです。
●垣根涼介
チリのルイス・セプルベダ。『ラブ・ストーリーを読む老人』を読んで衝撃を受けましたね。
●あさのあつこ
(辺見庸さんの)『独航記』は小説ではないのですが、書かれている内容がすごくラジカルで挑戦的。でも、ご本人は意識しているかどうかはわからないのですが、文章はすごくツヤがあるんですよね。それに、自分をさらして書いているところがすごいなと思って。書いている言葉に、自分で責任を負うという、そういう覚悟を感じるんです。
●小川洋子
(金井美恵子さんの)『愛の生活』は愛にあふれた生活とは対極にあるような、人間の醜さとか悪意とか残酷さを鷲づかみにしているような、小説というよりは現代詩の言葉の鋭さでもって書かれた作品です。
――文藝春秋から『アンネの日記』の完全版が出た後、実はアンネの父が絶対に発表したくないという数ページが友人の家の金庫に預けてあるのが発見されて、それは本には記されていないが、研究者の間ではそこに何が書かれてあるかも分かっていると、小川が語っています。いったい何が書かれているのか知りたいのは私だけでしょうか。
本書のおかげで、読みたい本が5冊見つかりました。