榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

健康寿命、貢献寿命を重視し、自己肯定感を共に育んでいく老人ホームであってほしい・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3703)】

【読書の森 2025年5月17日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3703)

このほど交換した玄関のLEDの街灯(写真1)は、夕方、暗くなると勝手に点灯し、人が近づくと明るさが倍になり、早朝、明るくなると消灯します。その賢さを愛で、私たちは「外ちゃん」と呼んでいます。久しぶりにニホンヤモリ(写真2)が来ているわよ、と女房の声。

閑話休題、『終の棲(Ⅴ)――幸せの循環型ホーム』(北沢美代著、幻冬舎メディアコンサルティング)は、83歳の老人ホーム入居者による老人ホーム論です。

老人ホームが身近に感じられる年齢なので、勉強になりました。

●ノーベル賞の受賞者も一国のトップも生きていれば唯のひとりの例外もなく家か施設かの選択はあっても介護に行きつく。

●多くの入居者たちはほとんど一日を部屋とダイニングの往復で終わる。その人たちが外気に触れ、夜空を見上げ、風を感じることがどんなに心を弾ませたことか。

●ダイニングがパブリックスペースである以上、「マナー」という規範の枠はあって当然だと考える。これは老人ホームの一つの課題だとさえ考えている。

●「介護」、「老人ホーム」は人生最後の大きな買い物であるのに、その情報があまりにも少ない。入居者目線で書かれたものは皆無といっていい。

●「老人ホーム」は自身の最後の人生と捉えているので、入居後も自己肯定感を持てるか、人に必要とされているか、人のために役に立てるかと考えている。

●平均寿命を延ばす時代は終わり、健康でいられる健康寿命の実現、それと並行して最後まで人に必要とされる貢献寿命が注視されてきている。「人生100年時代を自ら設計して生きていく時代」、栄養、運動、コミュニケーションを持ち続け、自己肯定感を共に育んでいく老人ホームであってほしい。