榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

校舎から 子供あふれた 我が母校・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3765)】

【読書の森 2025年7月15日号】 情熱的読書人間のないしょ話(3764)

シルバー川柳 きらめく昭和編――笑いあり、しみじみあり』(みやぎシルバーネット・河出書房新社編集部編、河出書房新社)には、懐かしい昭和が溢れています。

●映画観て ドロンに恋した 乙女の日=男の私でさえ、アラン・ドロンにうっとりしたことを懐かしく思い出しました
●「モーレツ」と「ふりむかないで」忘れられず=「Oh! モーレツ!」のCMの小川ローザは刺激的でしたね。「ふりむかないで」のCMは、CMソングも振り向いた一般女性たちも素敵でした
●セーラーを 着ていただけで もてた日々=セーラー服には、なぜか心ときめくから不思議ですね
●のり弁は 変わらず昭和 残してる
●校舎から 子供あふれた 我が母校=私が通った東京都杉並区立西田小学校は教室不足のため二部授業で、午前組の授業を午後組の連中が窓から覗いていました
●せっけんの 香りなつかし かっぽう着=当時の母親は皆、割烹着姿で食事の準備をしていました
●ラジオから みゆきの「時代」 時戻る=中島みゆきのカセットテープを摺り切れるほど聴きました
●録(と)りためて もう映せない VHS=VHSかベータかの激しいシェア争いも懐かしい思い出です
●テレビなく ラジオ叩いた ナイター戦=なぜか、当時のラジオは叩くと調子よくなったものです
●プロレスの 観戦席は 電器店=蕎麦屋も観戦席でしたね
●初恋は モンペ姿の 別嬪さん

昭和は遠くなりにけり。私も川柳を作りたくなってしまいました。
●トンネルだ 慌てて閉める 汽車の窓――臥龍(榎戸 誠)

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●枯葉踏む 響きで気分は パリジェンヌ
●愛と金 今ならすぐに 金をとる
●何処(どこ)行こう 家を出たとき 冒険家
●腹式で 他人の分まで 空気吸う
●咲きもせず 枯れもせずして 生きている
●すぐ来てよ 昔は彼氏 今救急車
●数値では 死んでるはずと 若い医師
●ドクターの 老化案ずる 患者さん
●お互いに 結婚詐欺で 五十年
●迷子爺 そっちの婆は よその婆
●タワマンも いずれ老人 村となる
●夫婦仲 洗濯物が 縺れ合う
●暇あれば 散歩で暮らす 金要らず
●ドア閉めて どっさり出して 腸(超)元気
●院内で 唄口ずさみ 注意受け
●娘くる 認知判定 する眼して
●老体や ひねもす寝たり 寝たりかな
●ブスでいい 採血うまい 人がいい
●葬儀屋の チラシ集める 婆の闇
●妻の死を 遠出してると 言い聞かす