兼好法師に親しみを感じさせてくれる一冊・・・【山椒読書論(694)】
【読書クラブ 本好きですか? 2022年3月25日号】
山椒読書論(694)
『こころ彩る徒然草――兼好さんと、お茶をいっぷく』(木村耕一著、黒澤葵イラスト、1万年堂出版)は、兼好法師に親しみを感じさせてくれる一冊だ。
●悪口を言われたら「悔しい」「恥ずかしい」と思いますが、言った人も、聞いた人も、すぐに死んでいきますから、気にしなくてもいいのです(第三八段)。
●月の夜、雪の朝、桜の下などで、ゆったりと話をしながら、杯を交わすのは、とてもいいものです(第一七五段)。
●目に見えない風の動きに、心が動かされることはありませんか。流れる水が、岩に当たって白く砕け散る姿を見ると、心がすがすがしくなりますね(第ニ一段)。
●本を開くと、まだ見ぬ古の人と、心の友になれます(第一三段)。
●財産や名誉が増えると、幸せになれないって、本当ですか(第三八段)。
●今、生きている、この喜びを、日々、楽しもうではありませんか(第九三段)。
●決意したことは、迷わず、すぐに実行すべきです(第一五五段)。