榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

縄文時代に関する興味深い質疑応答がてんこ盛り・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2593)】

【読書クラブ 本好きですか? 2022年5月24日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2593)

本日、日刊ゲンダイの平井康嗣副部長から取材を受けました。5/31付(5/30発行)の日刊ゲンダイの「人生100年時代の歩き方」に掲載されるそうです。コンビニや駅売店で販売されているとのこと。キンシバイ(写真2~4)、スイセンノウ(写真5~7)が咲いています。ハゴロモジャスミン(写真8~10)が芳香を放っています。ドクダミ(写真11~13)が縁台の隙間から、ちょこんと顔を覗かせています。除草剤や殺虫剤を使わない主義の我が家の庭師(女房)にとって、抜いても抜いても生えてくるドクダミは手強い好敵手です。因みに、本日の歩数は11,807でした。

閑話休題、『縄文人も恋をする!?――54のQ&Aで読みとく縄文時代』(山田康弘著、ビジネス社)は、縄文時代に関する興味深い質疑応答がてんこ盛りです。

●縄文時代の人口はどれくらいだったの?
「計算してみると、人口が最も多かったと思われる縄文時代中期の場合、全国で26万人程度であったと推定されました。また、早期の全人口数が2万人程度であったものが、前期には10万人を超え、中期には26万人へと、この時期に人口数が急激に増加したこともわかりました」。

●縄文人の結婚は、恋愛結婚だったのでしょうか? 
「当然ながら、縄文人も人を好きになる、人を愛するということはあったはずです。ですが、恋愛結婚があったのかということになると、よほどの偶然が重ならない限り、なかったのではないかというのが私の意見です。・・・婚姻によって他の集団との関係性を開拓ないし維持するためには、外婚制を採ることが普通です。外婚制とは。結婚相手を自分の帰属する集団(正確ではありませんが、血縁関係のある親戚一同みたいな感じで捉えてください)以外から求める婚姻制度のことを言います。・・・縄文人はこのような婚姻関係を周辺、あるいは遠隔地の集団・集落と取り結ぶことによって婚姻関係と血縁関係を作り、互恵的なネットワークを張り巡らせていったのです。・・・ですので、自身の背後に存在する集団を無視して。本人たちの意思のみで婚姻を進めるような、現代的な時流恋愛による結婚は、まずありえなかった、と考えられます」。

●縄文時代に階層社会があったという話を聞きましたが、本当ですか?
「(遺跡の発掘調査は)縄文社会が単純な平等社会であったのではなく、特定の家族集団ないしは選ばれた人々が社会的に突出しており、場合によっては階層化していた可能性を示しています。・・・縄文時代後期において一時的に階層化を伴う特殊な社会状況が現出したものの、それが長期にわたって継続・発展しなかったことを物語っています。縄文社会は、最初から最後まで単純な平等なものであったのではなく、地域と時期によっては階層(成層)化するなどの社会複雑化が生じ、そして複雑化と単純化を繰り返しながら、脈動していたというのが実態なのでしょう」。