羽柴(豊臣)秀長の生涯を知るのに最適な一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3906)】
千葉・野田の理窓公園の主ともいうべき池上均さんから、野鳥や植物について貴重な情報を得ることができました。毎日、理窓公園の自然観察をしている池上さんが最近撮影した▶コウノトリとダイサギとマガモの雄、雌、▶コウノトリ、▶コウノトリとオシドリの雄、雌(写真1~4)です。フユノハナワラビ(写真5)の群生場所を教えてもらいました。イロハモミジの実生(写真6)、たわわに実を付けたカキ(写真7)をカメラに収めました。我が家の庭師(女房)から、庭の隅でオモト(写真8)が実を付けているわよ、との報告あり。因みに、本日の歩数は14,686でした。









閑話休題、『羽柴秀長の生涯――秀吉を支えた「補佐役」の実像』(黒田基樹著、平凡社新書)は、羽柴(豊臣)秀長の生涯を知るのに最適な一冊です。信頼できる一次史料に基づき、秀長の生涯が詳細に記されているからです。
個人的に注目したのは、著者の黒田基樹が2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』の時代考証を担当することです。このドラマの脚本担当の八津弘幸が、若き日の秀長を描く際に、偽書とされる『武功夜話』を下敷きにするのではないか、万一、『武功夜話』が使われた場合、時代考証の黒田がそれにどう対処するのかが気に懸かったからです。
本書の中で、黒田が『武功夜話』に言及しているのは1カ所だけです。「ちなみにこの時の侵攻の状況について、『武功夜話』には詳しい記述があるものの、続いて養父郡を攻略したように記していて、事実とは異なる部分がみられているので、そのままには参照できないようである。そのため秀長が竹田城への在城を続けたのかどうかもはっきりしない」。黒田は『武功夜話』を偽書とまでは決めつけていないが、信頼できないとしているので、ひとまずホッとしました。
ドラマに目くじらを立てるのは大人気ないと言われそうだが、偽書に引き摺られ史実から大きく逸脱した歴史ドラマは見たくない――というのが、私の本音です。
この書評を書き上げてから、ChatGPT5に「『武功夜話』は偽書であると私は認識しているが、歴史学の専門家たちはどう考えているのでしょうか? 280字で回答ください」と依頼したところ、このような答えが返ってきました。「『武功夜話』について、歴史学では『戦国期の一次史料としては信頼できない』という評価が主流です。発見経緯の不透明さ、他史料との差異、言語・地名などの不自然さが指摘され、偽書または江戸期成立の伝承資料とみなされています。ただし、全否定ではなく、地方伝承や前野家系の記憶を反映した資料として、他史料との比較・裏付けを前提に限定的に利用できるとする研究者もいます。つまり、史料価値は極めて低いが、補助資料として扱う余地がある、というのが現在の専門的評価です」。
