美しく気高い若雄の野生ウマ「ペイサー」を、君は知っているか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(3987)】
【読書の森 2026年2月12日号】
情熱的読書人間のないしょ話(3987)
ソシンロウバイ(写真1~3)が芳香を放っています。メジロ(写真4)をカメラに収めました。







閑話休題、『ペーシング・マスタング――自由のために走る野生ウマ』(アーネスト・トンプソン・シートン著、今泉吉晴訳、福音館書店)は、アーネスト・トンプソン・シートンの『私の知っている野生動物』、いわゆる「シートン動物記」に収められている一篇で、絵もシートンが描いています。
シートンがアメリカ・ニューメキシコ州で出会った野生ウマの群れのリーダー、真っ黒で艶やかな毛並みが美しく気高い若雄「ペイサー」は並外れた走行能力を誇るだけでなく、群れをまとめる賢さと人間と渡り合う勇気を兼ね備えています。
何人ものカウボーイが我こそ、ペイサーを生け捕りにし、調教するぞと、涙ぐましい努力を重ねるが、驚くべき走行能力と賢さを発揮するペイサーを捕らえることができません。
トーマス・ベーツというカウボーイが、魅力的な雌ウマを囮にして、砂や草をかけて隠した投げ縄のロープを地面に仕掛けます。ペイサーは、後ろ足をロープで締め上げられ、遂に、捕らえられてしまいます。
無理やり、北へ連れていこうとするベーツに足輪を付けられながらも、ペイサーは高いジャンプを繰り返し、切り立った崖の縁から、何もない空中へとジャンプします。「ペイサーは命を失っても、野生の自由を守ろうとしていたのでした」。
このペイサーの最期については後日談があります。刊行後、事実を知るあるカウボーイから、自分を捕らえたベーツを背に乗せたまま、ペイサーは崖から飛び降りたという話を聞かされたと、シートンが自叙伝『画家・ナチュラリストの足跡』に記しています。
若き日々にシートン動物記を読んだ時のワクワク感が甦ってきました。
