榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

24歳のイヴォンヌが、「何か特別なものがない」サムの求愛を拒否し続ける物語・・・【情熱的読書人間のないしょ話(4029)】

【読書の森 2026年3月23日号】 情熱的読書人間のないしょ話(4029)

ミツバツツジ(写真1、2)、シナレンギョウ(写真3、4)、ラッパズイセン(写真5)、トキワマガリバナ(学名:イベリス・センペルヴィレンス。写真6、7)が咲いています。我が家の庭師(女房)から、フクロナデシコ(写真8)、ムスカリ(写真9)が咲き始めたわよ、との報告あり。自分から先に読んでほしいと、本たちが猛烈にアピールしています(写真10)。

閑話休題、丸谷才一が『文学のレッスン』(新潮選書)の中で絶賛している短篇『何か特別なもの』(アイリス・マードック著、丸谷才一訳)を、早速、読みました。『イギリス短篇24』(グレアム・グリーン他著、丸谷才一他訳、集英社)に収められています。

正直言って、私の好みには合いませんでした。24歳のイヴォンヌが求愛者のサムを「あたし、彼が厭なのよ。結婚したくない。彼には、何か特別なものがないもの」と拒否し続ける様が刻々と描写されていきます。

これだけで分かる人は分かるでしょう。この作品は、ジェイムス・ジョイスの作品の影響を強く受けているのです。

私はマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』の熱烈なファンで、もう一方の旗頭ともいうべきジェイムス・ジョイスの作品はどれも、丸谷には悪いが、どうしても好きになれない天の邪鬼なのです。

しかし、『何か特別なもの』のような作品が大好きという人たちがいることは確かでしょう。そういう人たちは、ご一読を!