榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

自分の人生を自分で選択できなかった女の無惨な地獄絵・・・【山椒読書論(342)】

【amazon 『卯の花くたし』 カスタマーレビュー 2013年12月16日】 山椒読書論(342)

『宮尾登美子全集(第6巻)』(宮尾登美子著、朝日新聞出版)に収録されている『卯の花くたし』は、私の胸に強烈な印象を刻み付けた作品である。

満州で遊女屋を経営する男から、残酷な仕打ちを受け続ける女。

この作品は、自分の人生を自分で選択できず、理不尽な闇に突き落とされた女の無惨な地獄絵を、私たちに突きつける。