12歳で佐藤優式勉強法を身につければ、君の人生をガラリと変えることができるというのは本当か・・・【あなたの人生が最高に輝く時(84)】
佐藤優
佐藤優(まさる)というのは、何とも不思議な人物だ。大学・大学院では神学という地味な学問を専攻し、外務省では対ソ連諜報活動に従事し、背任容疑で逮捕され512日間も勾留されたというのに、その後は売れっ子の著述家としてベストセラーを連発しているからだ。その上、その著作のいずれもが、高い水準を維持していることには驚かされる、
優くんの勉強法
その佐藤優が12歳に向けて自らの勉強法を明かしたのが、『12歳からはじめよう 学びのカタチ――優くん式「成績アップ」5つの秘密』(佐藤優著、NHK出版)である。
優くんの勉強法は、5つにまとめることができる。
①ワザありの時間管理術
②90分間、机にむかって集中するコツ
③苦手なところ・弱いところを自覚する方法
④スイスイ暗記するための奥の手
⑤インプットとアウトプットの方法(「インプット」とは、自分の役にたつことを選びだして理解すること、「アウトプット」とは、インプットしたことをふまえて、自分の意見をしっかりと相手に伝えること)
時間管理術
●自分にとって何がいちばん大切なのかを考えて、優先順位をつけていこう。
●意志の力に頼りすぎるとアウト。それより勉強することを習慣にしてしまおう。
●机にむかって勉強するあいだは、ゲームやスマホができないように、くふうしてみよう。
●スケジュールノート(左側のページに、1週間でやろうと思うことを箇条書きにし、右側のページに、その日にやったことを書きこんでいく)をつくって、まずは30枚のノートぜんぶが埋まるまで書きつづけてみよう。ノートは手書きが原則。
集中法
●集中して勉強するためには、ペース配分が大切。机にむかって、最初に何をやるかを決めておこう。
●「ながら勉強」をふせぐには、リビングルーム、図書館など、人の目のあるところで勉強するのがいちばん。
●「1日90分、机にむかう」を目標にしてみよう。でもこれはあくまで目標、「7掛け2割増しの法則」(全力集中できるのは90分の70%だが、その時はダラダラ時より頭が20%増しでフル回転している)をうまく使えば、計画だおれもふせげるはず。
弱点発見法
●ドリル形式の問題集で、過去の学年にさかのぼって問題を解いてみよう。
●「授業がまったくわからなくてお手あげ状態」のばあいは、ほかの人の力を借りよう。塾の先生や家庭教師に指導してもらうほか、「スタディサプリ」(ネット予備校)もおすすめ。
暗記術
●暗記するためのいちばんの方法は音読。1冊の教科書を3回音読すれば、自然と内容がアタマに入ってくる。
●教科書でとくに重要なところは音読を録音して、それを聞きながらノートに書きとっていく。
●見ておぼえることだってできる。教科書の見開きページを目に焼きつけてから、目を閉じて、重要なポイントから心に思い描けるかどうか、確かめてみる。
情報収集術
●中高生むけの新聞やニュース雑誌、NHK NEWS WEBなどのサイトを読む習慣をつけよう。
●ネットで情報を調べるときは、NHKのようなマスメディアが運営している、「編集」されたサイトを選ぼう。
●インプットのためには「正しく読む力」が必要。文章のつながりを意識して読むことがポイント。
●知らないことばに出会ったら、すぐに辞書を引く。電子辞書より、まずは紙の辞書を。
●ちょっと専門的なことを調べるときは、百科事典にあたろう。最新のニュースにあたるときは、オンラインデータベースがおすすめ。
●「聞く力」をみがくうえでは、NHKラジオのニュースのディクテーション(聞いたことを文字に書いていくこと)が効果的。
●中学の教科書にのっている基本的なことをしっかりふまえているかどうか、これが信頼できる情報を見わけるコツ。
表現術
●新しい知識や情報をインプットしても、それを自分のものにするには時間がかかる。けっしてあせらないこと。
●「おもしろい!」と思う情報を仕入れたら、だれかに話してみる。そのうちに、情報が自分のなかでこなれてくる。「話す力」も伸びる。
●アウトプットをするうえでは、インプットした知識の要点をまとめることがポイント。要約の力をみがこう。
●アウトプットをじょうずにこなすには、要約と敷衍をいっしょにおこなう必要がある。むずかしいことを相手に伝えるときは、わかりやすい例をあげて説明してみよう。
●わかりやすく話したり、わかりやすい文章を書くためには、「論理」を意識しなければいけない。『出口汪の新日本語トレーニング』、『論文の書き方』(澤田昭夫著)、『大人のための国語ゼミ』、『論理トレーニング101題』を参考にしよう。
●要約や敷衍は、アタマのなかでやっていても意味がない。かならず、紙に書くクセをつけよう。
佐藤優式勉強法を身につければ、人生をガラリと変えることができるというのは本当か否か――この答えは、君自身が出すことになるだろう。