仕事が速い人はプライヴェットも充実しているのはなぜか・・・【MRのための読書論(79)】
仕事にかける時間と成果は比例しない
効率よく仕事をしているMRと、そうでないMRとの差は、どこから生じてくるのだろう。効率がいいMRとは、かける労力(=時間)に比べて成果が高いMRを意味している。すなわち、少ない時間で、より高い成果を出すことのできるMRのことだ。仕事にかける時間と成果は比例しないのだ。そして、仕事の効率が上がると、時間的にも、精神的にも余裕が生まれるので、仕事にとどまらず、プライヴェットも充実させることができる。
同じ量の仕事を半分の時間で仕上げる方法
『仕事が速い人が必ずやっている整理の習慣』(篠塚孝也著、かんき出版)には、仕事を効率化するノウハウやヒントが詰まっている。著者の経験から導き出された考え方や方法が具体的に示されている。ここに書かれていることを全て実行しようと欲張らずに、これはと思うものを一つでも身に付けることができれば、その改善効果の威力を実感できるだろう。
仕事の効率化に取り組むに当たっては、「特効薬はない、万能薬もない、副作用を伴う」ことを知れというのが、著者のアドヴァイスである。
一つでも二つでも、身に付けよう
●パソコンのデスクトップを整理する――著者は、3つのルールを徹底することを勧めている。①デスクトップにはファイルを単体で置かない、②アプリケーションのアイコンは週に1回以上使うもの以外は置かない、③デスクトップに一時保存フォルダを作る。一時保存フォルダに入れる主なファイルは、本来は削除すべきファイルである。しかし、全て削除しようとすると心理的なハードルが上がってしまい、結局、何も捨てられなくなってしまうので、ここに一時保存するのだ。
●パソコンの増え続けるフォルダを整理する――最大のポイントは、「階層」を効率のいい状態にすること。具体的には、深さは3階層程度、最下層以外は5つ程度のフォルダリングにしておくと、一度に目に入るフォルダが少なくなるため、検索効率が上がり、保存する際も迷わなくなる。そして、デスクトップと同様に、一時保存フォルダ(オールドファイルフォルダ)を各フォルダ内に作ると、さらに効率が上がる。
●すぐにできるパソコンのフォルダ検索の高速化――フォルダ名の頭にアルファベットの1文字を付ける。WindowsやMacには、キーボードをタイプすると、そのキーのアルファベットから始まる名前のフォルダに飛んでくれるという、あまり知られていない便利な機能があるのだ。
●タスクの棚卸しで自分の仕事を見直そう――タスクを可視化する。すなわち、やらねばならないことを文字情報として脳の外に出すことによって、頭の中がまっさらな状態になり、気持ちがすっきりする。具体的には、①ポスト・イットに現在のタスクを全て漏れなく書き出す、②タスクを仕分けするマトリックスを作る、具体的には、用意した紙に縦横1本ずつ線を引いて4つの領域に分け、縦軸を重要度、横軸を緊急度とする、③タスクを書き出したポスト・イットをマトリックスに貼る。因みに、このマトリックスはスティーヴン・R・コヴィーの『7つの習慣』の「時間管理のマトリックス」(左上の第1領域=緊急かつ重要、右上の第2領域=緊急でないが重要、左下の第3領域=緊急だが重要ではない、右下の第4領域=緊急でも重要でもない)の借用だが、第1領域のタスクは、徹夜をしてでも一気に片づけろ、それが終わったら、ホッと一息つきたい気持ちを抑えて、すぐに第2領域のタスクを処理せよと、著者は強調している。第2領域の仕事に早く着手する習慣をつけると、心に余裕ができ、仕事の生産性やパフォーマンスが大幅に改善されるというのだ。
●4つのフォルダでメールを上手に整理する――メールを仕分けするフォルダは、作業発生の有無と、保存が必要か不要かの4つに大別する。①today(今日やる)フォルダ、②later(後でやる)フォルダ、③save(保存する)フォルダ、④アーカイヴ(一時的なゴミ箱)。著者のやり方に異を唱えるわけではないが、私は仕事と次の仕事の隙間に発生する細切れ時間を活用して①②③を一気に片づけてしまい、④は敢えて設けず、即、削除している。
戻る | 「MRのための読書論」一覧 | トップページ