生産性=整理×集中×加速だ・・・【MRのための読書論(189)】
生産性
『超速』(ウィル・デクレール、バオ・ディン、ジェローム・デュモン著、鹿田昌美訳、サンマーク出版)は、時間節約術の本だが、明快性、具体性、有効性において類書を圧倒している。「生産性を高めることは。それ自体がゴールではなく、人生全体を豊かにするための手段だ。退屈でつまらない作業に費やす時間を最小限におさえることで、自分を本当に幸せにしてくれることにもっと時間を使えるようになる。つまり、生産性を高めることができれば、もっと人生を充実させることができる」。
著者は、「生産性=整理×集中×加速」と強調している。整理とは、作業を適切に行うために、上手に時間を割り当てること。集中とは、作業に必要なだけの意識を向けること。加速とは、作業をできる限り迅速かつ効率的にやり遂げること。
整理
●あらゆることを、外付けのハードドライブ、つまりToDoリストに保存する。「何かに出席する、何かをやる、と返事をしたら、瞬時に書き留めよう。良いアイデアが浮かんだときも同様だ。ひらめいたら、どこにいても、すぐに書き留める。パソコンでも、スマートフォンでも、付箋でも、メモ帳でもいいから、とにかく手を動かすのだ」。
●書き留めるときは、「必要な情報+行動を示す動詞」とする。「たとえば、『Aさんからグラフィックレイアウトを(情報)受け取る(動詞)』『絵文字ゲームの技術仕様を(情報)作成する(動詞)』『生産性に関する本のタイトル10案を(情報)書き出す(動詞)』といった具合だ」。
●ToDoリストに2分以内に完了できるタスクがあれば、即実行する。「実際にやってみると、日常業務の多くが2分以内に完了できることに驚かされる。そういったタスクを即座に片づけることで、リスト内の数を劇的に減らすことができ、リストが延々と続くことの心理的な負担から逃れることができる」。
●毎朝、仕事を始める前に、緊急性は脇によけて、その日の終わりまでに完了したい最重要タスクを3つ特定する。
●締め切りを設ける。
集中
●机をきれいにする。「机が整理されていないのは、頭の中が整理されていないのに等しい」。
●メールチェックは1日3回までとする。
加速
●パソコンのマウスのポインターの速度を上げる。「マウスを使うとき、ポインターの速度を目盛りの8(勇気がある人は最大)に上げてみてほしい。コントロールパネルの『ハードウェアとサウンド』から、『デバイスとプリンター』をクリックし、『マウス』をクリック、『ポインターオプション』で、ポインターの速度を調節することができる」。
●GmailはMixmaxツールを活用して、選択した日時にメールを送信できるように設定する。
●翻訳プログラムは、ディープラーニングベースのSYSTRANを使用する。「(SYSTRANは)以前は不可能と考えられていた繊細で細やかな翻訳の域に到達しており、驚くような成果を上げている(無料でデモ版を試してみたい方は、Translate.systran.netで検索してみてほしい)。残念ながらプロバージョンは有料なので、無料のものをお探しの場合は、Chrome向けGoogle翻訳拡張機能をインストールしてみよう。ハイライトした単語が自動的に翻訳され、アイコンをクリックするだけで、選択したページを翻訳することができる」。
●職場において、スマートフォンがパソコンよりも優れているのは、移動しながら簡単に使えるという一点だけで、他の全てにおいて。パソコンのほうが勝っていることを認識する。「パソコンのほうが速く、パワーがあり、画面が大きく、キーボードもいい。要するに、電話をかける場合を除いて、職場ではスマートフォンに触らないのが得策なのだ」。
●実際に影響を与える20%に集中するために、価値の低い80%のタスクを捨ててもいいと考える。
上記が実行できたとき、あなたは超速人間に変身しているだろう。
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