「インプット→アウトプット」から「アウトプット→インプット」に逆転させよ・・・【MRのための読書論(213)】
【プロの思考】
仮説思考、論点思考で一世を風靡した内田和成だけあって、『アウトプット思考――1の情報から10の答えを導き出すプロの技術』(内田和成著、PHP研究所)は、思考力を各段に向上させるための具体的なヒントが満載である。
【基本姿勢】
●「なりたいのはどういう自分か」から逆算する。
●30代以降は「自分はどこで勝負すべきか」を見直そう。
●違いを理解したうえで、自分のスタンスを明確にする。
●弱点は人並み程度に改善する一方、強みは徹底的に伸ばして自分のセールスポイントにする。
●先に何を成し遂げたいかという仕事の目的があり、それに応じて情報の価値が決まってくる。
●問題意識があれば、ムダな時間は皆無となる。
●仮説を立て、ときに「振り出しに戻る」。それが結局早い。
78年間、多くの人と接してきたが、仕事であれ私生活であれ、これという得意技を持っている人の有利さを何度も実感させられてきた。
【アウトプット重視】
●従来の常識だった「インプット→アウトプット」というプロセスを、「アウトプット→インプット」に逆転させる。具体的には、自分のスタンスを明確にし、そこに引っかかったものだけをピックアップする。
●自分にとってのアウトプットは何かを考える。これは、仕事以外にも言えることだ。
●最短で情報を手に入れる「アウトプットから始める読書術」。ある本を読む前に、その本を読む「目的」を明確にして、それに応じた読み方をする方法だ。
私も、アウトプット重視の読書術を実践している。
【情報収集】
●情報収集にかける時間は必要最低限にして、本当に大事な「考える」時間を増やすべきだ。
●問題意識は持ちつつも、無理に情報を集めたり整理したりせず、自然と脳内に集まった情報を泳がせたほうが、思考が飛躍して新しいアイデアが出やすい。
●対話型AIは情報収集や整理には向いているが、何かを判断したり、新しいものを生み出したりするのには向いていない。
●自分だけの情報源「人脈ネットワーク」を作る。
●臆せず「著者」に連絡してみよう。
●ブログやフェイスブックに投稿することが多いが、そこでもらったコメントから新しい発見が得られることがあり、それは貴重な機会だと思っている。
●いろいろな人に会って直接話を聞く、ネットでは得られない書籍や専門的なメディアの情報を足を使って稼ぐ。
●パソコンの前に座るヒマがあれば、今すぐ現場に飛び出そう。
私も、野鳥、昆虫、植物、IT、出版など、各分野の達人との人脈ネットワークを作り、活用している。
【情報整理】
●情報は整理するな、覚えるな、検索するな。これが、私の情報に対する基本スタンスだ。
●得た情報を、「頭の中の引き出し」に放り込む。
●20の引き出しとは「ゆるい」情報整理法である。
●「ひねったネーミング」で注意を惹く。例えば、「ギャンブラーと勝負師」。
●透明な袋に気になったものをどんどん放り込む「袋ファイル」という簡易的なやり方を用いている。
●「肌感覚」「俯瞰」そして「深掘り」で、情報のその先を考える。
私も、山根一眞考案の「袋ファイル」を38年間続けることにより、大いに助けられている。
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