どうしようもないわたしが歩いてゐ(い)る・・・【ことばのオアシス(100)】
【薬事日報 2012年10月24日号】
ことばのオアシス(100)
どうしようもないわたしが歩いてゐ(い)る
――種田山頭火
自由律俳句で尾崎放哉(ほうさい)と並び称される種田山頭火の一句。
上掲の句や、「分け入つ(っ)ても分け入つ(っ)ても青い山」、「ひとりで蚊にくは(わ)れてゐ(い)る」、「酔うてこほ(お)ろぎと寝てゐ(い)たよ」(『山頭火句集』<ちくま文庫>所収)のように、山頭火は俳句の約束事に囚われず自由に詠んでいる。
雲水として諸国行脚に明け暮れ、酒を愛した山頭火は、酔っていく過程を「まず、ほろほろ、それからふらふら、そしてぐでぐで、ごろごろ、ぼろぼろ、どろどろ」と表現している。
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