榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

泣いて笑って 転んで起きる 晴れのち曇り 雨に雪 しょせん道づれ 男と女 回り舞台さ 人生は・・・【ことばのオアシス(120)】

【薬事日報 2013年7月17日号】 ことばのオアシス(120)

泣いて笑って 転んで起きる
晴れのち曇り 雨に雪
しょせん道づれ 男と女
回り舞台さ 人生は

――中西 龍(りょう

伝説のアナウンサー・中西 龍の、大川栄策「冬花火」のナレーションの一節。「百の舞台に 百のうた それも幸せ 不幸せ 心模様を 演歌のふしに  のせて浮世を 今日もまた」と続く。

自ら考えた台詞を独特の抑揚で語る。そのナレーションが静かに演歌に寄り添うとき、心にしみじみ沁みてくる。つくづく演歌は「人生の応援歌」だと思う。

中西のナレーション集としては、『人を恋い唄に酔う』(中西 龍著、柏書房)、『小さなドラマ――句文集』(中西 龍著、紅ファクトリー)、『歌に想い出が――放送詞文集』(中西 龍著、中西龍刊行会)がある。

中西の風狂で型破りな人生を知るには評伝小説『当(とう)マイクロフォン』(三田 完著、角川文庫)が、中西のナレーションを味わうにはCD『心のナレーション 中西龍 歌謡曲編』(三田 完監修・構成、日本コロムビア)がある。