榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ポール・スミザーの個人の家の庭づくりのアドヴァイス集・・・【山椒読書論(509)】

【amazon 『四季を感じる宿根草と手間いらずの庭木でナチュラルな庭づくり』 カスタマーレビュー 2015年1月29日】 山椒読書論(509)

四季を感じる宿根草と手間いらずの庭木でナチュラルな庭づくり』(ポール・スミザー著、主婦の友社)は、私にとってポール・スミザーの3冊目の本であるが、期待を裏切らない内容であった。

都市の中のナチュラルなパプリック・ガーデンづくりに腕を振るってきた著者が、遂に個人の家の庭づくりに取り組んでいるからである。

個人の庭づくりには、さまざまな制約が加わることが多い。例えば日蔭だが、ポールは、「明るい日蔭や乾いた日蔭など、ひとくちに日蔭といってもいろいろ」と言っている。「個人の庭(の日蔭)は、周囲の建物や塀や木などで複雑に入り交じっている。一日、時間帯をかえて観察するといい。ただあまり神経質にならなくても、日蔭向きの植物なら、ガンガン日のさすひなたでない限り、けっこう融通をきかせてくれるんだ」。

ポールは日蔭を「明るい日蔭」「暗い日蔭」「乾いた日蔭」「湿った日蔭」の4つに細分化し、それぞれについて具体的なアドヴァイスをしている。そして、「おすすめの日蔭でも元気な植物たち」として、ギボウシ、ムスカリ、シラー・シビリカ、アジサイ、アジュガ、シダ、ツワブキ、ヤツデ、フウチソウ、クリスマスローズなどを挙げている。そう言えば、我が家の日蔭でフウチソウを枯らしてしまったことがあったなあ。

ポールは原種系の球根がお気に入りだ。「おすすめは愛らしい小花の原種系。植えっぱなしでいいし、場所が気に入ればふえていくよ」と、「春が待ち遠しくなる球根たち」を推奨している。「春の植栽プランにぜひ加えてほしいのが、原種系の球根だ。まだ芽吹き前の土の色が目立つ庭に、ブルーベルやムスカリの花が咲きこぼれる姿は、愛らしくほほえましい。原種系は自然に近いので、花は小さく全体に小ぶり。でも強いし、植えっぱなしでいいから手間入らずだ。ただし、花後の葉は朽ちるまで残しておく。翌年の養分を蓄えるためなので、切ったり結んだりしない。葉がいつまでもきたなく残るのが見苦しいって? 大丈夫、植栽でカバーできるんだ。それは、落葉性の宿根草やグラス、アジサイなどの夏咲きの低木と組み合わせるという方法。花のころは、まだそれらの植物は本格的に活動していないけれど、花が終わるころには葉を茂らせてうまく隠してくれる、というわけ。地上から消え、景色が一変すると、球根のことは忘れてもいい。でも球根は忘れず、ちゃんと次の年も花を咲かせて春を告げる。そうなると、もう春が待ち遠しくなるよ」というのだ。

ポールの豊富な経験に基づいているだけに、どのアドヴァイスも非常に説得力がある。