棚田好きにとっては堪らないガイドブック・・・【山椒読書論(598)】
【読書クラブ 本好きですか? 2021年11月4日号】
山椒読書論(598)
私のような棚田好きにとって、『全国棚田ガイド――日本の棚田百選を含む全国の美しい棚田212』(棚田ネットワーク編、中島峰広監修、家の光協会)は堪らないガイドブックである。
登場する212の棚田の中から、私の独断でトップ10を選んでみた。
●儀明(ぎみょう。新潟県十日町市)――満開の山桜が水鏡に映る棚田
●青鬼(あおに。長野県白馬村)――白馬三山が水面に映える棚田
●上倉沢(静岡県菊川市)――大茶園・牧之原台地の斜面に広がる棚田
●丸山千枚田(三重県熊野市)――熊野古道から見下ろす千枚を超える棚田
●越畑・樒原(こしはた・しきみがはら。京都府京都市)――京都の隠れ里、愛宕山西斜面の棚田
●○米(○は「券」の上の部分と「旧」が上下で合体した漢字。つくよね。鳥取県若桜町)――名山氷ノ山の西斜面中腹の棚田
●東後畑(ひがしうしろばた。山口県長門市)――漁り火と夕陽が競演する棚田
●田野々(たのの。徳島県上勝町)――夏には晩茶のかおりが漂う棚田
●泉谷(いずみたに。愛媛県内子町)――三軒の農家が守り続ける急傾斜の棚田
●土谷(どや。長崎県松浦市)――玄界灘に沈む夕日に映える島棚田
実際に訪れることができなくても、棚田のさまざまな魅力に触れることが可能な一冊である。