列車の窓から絶景を楽しんでいる気分になれる写真集・・・【山椒読書論(697)】
『感動の鉄道絶景――死ぬまでに一度は乗りたい』(「旅と鉄道」編集部編、天夢人)は、鉄道の絶景が満載である。
私が勝手に選んだトップ10は下記のとおり。
●本四備讃線(宇多津~児島)
「オレンジに染まる瀬戸内海を行く特急列車。ぼんやりと浮かぶ島々のシルエットも美しい」。
●五能線(北金ケ沢~岩館)
「白波立つ冬の日本海沿いを走るキハ40形。季節ごとに魅力的な光景が見られるのも五能線ならでは」。
●氷見線(雨晴~越中国分)
「富山湾の彼方に屏風のように浮かぶ3000m級の立山連峰」。
●参宮線(松下~鳥羽)
「線路は途中で湾内の盛り土上を通って鳥羽港に面する鳥羽駅に着く。池の浦の線形は
独特で、同線最大の見どころとなっている」。
●御殿場線(駿河小山~岩波)
「駿河小山から沼津へ裾野を走る御殿場線は、富士山が『最も大きく最も間近に』感じられる路線といえる」。
●大糸線(信濃森上~白馬大池)
「信濃森上~白馬大池間は絶景撮影ポイントで、南側には五竜岳(標高2814m)が迫り、北側には八方尾根から白馬岳(2932m)にかけての大パノラマが広がっている」。
●小湊鐵道(上総大久保~養老渓谷)
「利用客に楽しんでもらおうと、地元の人たちが取り組んできた菜の花畑づくりの輪が広がり、春の沿線は『黄色いじゅうたん』で覆われるようになった」。
●大井川鐵道井川線(アプトいちしろ~接岨峡温泉)
「接岨湖に張り出した尾根上の奥大井湖上駅と、前後の橋梁部によって織りなされる新たな『絶景』が誕生した」。
●飯田線(金野~唐笠)
「錦繍を縫う列車。何もかもが止まったように見える秘境の世界。そこへ現れた列車が、再び時計を動かしはじめます。この瞬間こそ、絶景です」。
●いすみ線(東総元~久我原)
「桜の時期、こちらの区間では線路の両脇にソメイヨシノが咲き乱れます。列車が桜のトンネルの中を通過する様は圧巻です」。