ワタル、ゼガ、ケートは流砂に押し流され、1億6千万年も前の世界に迷い込んでしまう・・・【山椒読書論(766)】
【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月11日号】
山椒読書論(766)
昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。
『少年ケニヤ(6)』では、ワタルの父を捜すためコンゴの奥地に踏み込んだワタル、ゼガ、ケートは、恐ろしい流砂に押し流され、1億6千万年も前の世界に迷い込んでしまう。次から次へと現れる恐竜たちに襲われた3人は、ただただ逃げ回るよりなかった。
ワタルの冒険は、つ・づ・く。