榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

ドイツ軍に捕らえられたゼガを救出すべく、ワタルとケートはドイツ軍の秘密基地に忍び込む・・・【山椒読書論(768)】

【読書クラブ 本好きですか? 2023年1月13日号】 山椒読書論(768)

昭和20~30年代のことだが、子供時代の私は、やれ熱っぽいだの、風邪気味だの、腹の調子が悪いだのと、掛かり付けの河見(こうみ)小児科医院をしょっちゅう訪れていた。そして、その狭い待合室の本棚に並んでいた山川惣治の『少年王者』と『少年ケニヤ』シリーズを読むのを楽しみにしていた。当時のワクワク感を再び味わいたくて、絵物語『少年ケニヤ』(山川惣治著、角川文庫、全20巻)を購入した。

少年ケニヤ(8)』――ワタルたちが捜す、数年前にワタルと離れ離れになってしまったワタルの父はドイツ軍の将校に救われ、コンゴの密林の奥にある秘密基地にいる。ドイツ軍に捕らえられ、奴隷とされている原住民と共に重労働に従事させられているゼガを救出すべく、ワタルとケートは基地に忍び込む。

ワタルの冒険は、つ・づ・く。