榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

山城にロマンを感じる人向けの本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(69)】

【amazon 『日本の山城100名城』 カスタマーレビュー 2015年5月9日】 情熱的読書人間のないしょ話(69)

天守閣が聳えている城もいいのですが、私は、建造物が残っていない山城に、よりロマンを感じます。『日本の山城100名城――初心者から通まで楽しめる山城の見方・歩き方入門』(かみゆ歴史編集部編、洋泉社MOOK)は、山城ファンには堪らない一冊です。

「城といって一般の人がイメージするような、白亜の天守が建ち、高い石垣と幅広い水堀をもつような城はごくわずかにしかすぎません。日本列島に築かれた城のじつに99パーセントは、『城』の文字通り、『土から成る』ものでした。山を切り盛りして平坦地である曲輪(くるわ)を造成し、土を盛った土塁や尾根筋を断ち切った堀切で敵を防御するような、土木施設だったのです」。

「山城は、近世の城よりも残存度が高いですし、山の上に残る遺構を見れば城の構造や城を築いた人の考えをありありと思い描くことができるのです。・・・当時の人々にとって山城とはどんな存在だったのか、それに思いを馳せながら山城を歩くと、いっそう親近感が湧くのではないでしょうか」。まさに、山城歩きは先人との対話だと思います。

本書は、それぞれの山城に関する詳細なデータに加えて、必見ポイント、城の平面図、城歩き情報なども充実しています。

昨年の11月下旬、女房に遅れまいとヒーヒー言いながら急坂を登った兵庫県朝来市の「天空の城」竹田城跡を思い出しました。山頂に静かに佇む城跡は、期待を裏切らないものでした。

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因みに、山城ではありませんが、毎年、遊びに行っていた茨城県桜川市の榎戸本家の屋敷は塙世(はなわぜ)城と呼ばれる城跡に建っています。

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