アルツハイマー型認知症は「3型糖尿病」なのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(120)】
【amazon 『認知症は脳のメタボだった!』 カスタマーレビュー 2015年7月16日】
情熱的読書人間のないしょ話(120)
北海道・十勝幕別温泉のグランヴィリオホテルの露天風呂は、湯面に木々の緑が映り野趣満点でした。十勝の六花の森の小川沿いの小道では、大きく響くせせらぎに癒やされました。森進一は「襟裳の春は何もない春です」と歌いましたが、襟裳岬の夏は紺碧の海と寄せては砕ける白波がありました。因みに、この日の歩数は14,985でした。
閑話休題、『認知症は脳のメタボだった!』(白澤卓二著、宝島社)は、一見、軽い健康本の趣ですが、著者の見解は説得力があります。
「本書では、圧倒的に多い『アルツハイマー型認知症』と、次に多い『血管性認知症』、複数の原因で発症する『混合型認知症』にしぼってご説明します」。
「これまではっきりした原因がわからないと言われていたアルツハイマー型認知症も、生活習慣が大きく関係しているということです」。
「特に注目されているのが、血糖値や糖尿病との関係です。日本でもアルツハイマー型認知症と血糖値、糖尿病との関係が示される研究報告があります」。
「アルツハイマー型認知症患者の脳では、ブドウ糖をエネルギー源として神経細胞に取り込むためのインスリン受容体や、糖の代謝をコントロールしている肝細胞増殖因子の受容体が破綻していたのです。簡単に言うと、脳が糖尿病状態に陥っていたのです」。
「実は、アルツハイマー型認知症とインスリンとの深い関係が明らかになりつつあるいま、アルツハイマー型認知症を『3型糖尿病』と提唱する研究者が出てきています」。
「はっきり言えば、50歳を過ぎたら糖質に頼る食生活から抜け出すことこそ、何よりの認知症予防になるでしょう」。糖尿病予備軍ではありませんが、糖質制限食を4年間続けており、ポッコリ腹が解消し、何ら副作用がない私としては、何度も頷きながら本書を読み進めました。