国家破産の最悪のシナリオに備えよという警告の書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(173)】
雨上がりの散策路は、シーンと静まり返っていて、誰にも出会いません。敷き詰められたような落葉の黄と草の緑がくっきりとしたコントラストをなしています。ヤマボウシが凸凹したボールのような赤い実をたくさん付けていました。因みに、本日の歩数は12,637でした。
閑話休題、『いよいよ政府があなたの財産を奪いにやってくる!?』(浅井隆著、第二海援隊)の著者・浅井隆の忠告には、以前から耳を傾けるようにしています。その主張は少々過激ですが、炭鉱事故を事前に知らせてくれるカナリアの役割を期待しているからです。
著者の国家破産・悪夢の道のりは、●2014年9月:1米ドル=110円、長期円安確定、●2015~1016年:120円以上、さらなる円安、●2017~2018年:150円以上、国債暴落、●2019~2010年:200円以上、国家破産スタート、●2025~2030年:300円以上、ハイパーインフレ、徳政令?――と予想されています。徳政令とは、ある日、突然、強引な手段を講じて国民の財産を強制的に取り上げることをいいますが、これには、①預金封鎖、②引き出し制限、③デノミ、④新円切り換え、⑤国債のデフォルト、⑥銀行の貸金庫内の財産の没収――の6種類があると注意を促しています。「国家破産とは国家が返せなくなった借金を国民の資産と相殺することと同義語であり、何でもありの世界と思った方がよい。そう遠くない将来、日本でもこうした出来事がある日突然天から降ってくる可能性が日々高まっている。私たちは、そうした事態と命がけで対処しなければならないのである」。
間もなく運用が始まるマイナンバー制度については、「行政にとって、マイナンバーと資産を関連付ける意義は2つ。ひとつは、現在の日本は自己申告にもとづいて税金を払う『申告納税』が原則ですが、これが『賦課課税』、つまり、ある日突然税務署が『あなたはいくら税金を納めなさい』と言ってくる方式に変わる。もうひとつは、現状では『フロー』、つまり所得や収入に対する課税だけなのが、『ストック』、つまり預金や株式などの資産にも課税されるようになるということです」と語っています。
これらの最悪シナリオに対処するには、どうすればいいのでしょうか。著者は、最も有効な対策は外貨建てでの運用だと主張しています。「インフレ対策だけでいうなら国内の運用でも外貨建て投信や外貨MMF、外貨預金も有効な対策となるが、徳政令対策と併せて考えるならば、やはり海外ファンドや海外口座といった『海外資産』の形をとることが必須だ」。著者の警告をどう受け止めるか、具体的にどう対処するかは、私たち一人ひとりが判断すべきなのは言うまでもありません。