日本の財政破綻は不可避の段階に至っているという警戒警報・・・【情熱的読書人間のないしょ話(183)】
タカの渡りを見に行きました。秋晴れのもと、1時間ほどの間に、7羽、15羽、9羽のサシバがそれぞれ鷹柱を作り、南方を目指して飛んでいきました(残念ながら、私のカメラではその姿を収めることができませんでした)。この他、上空を旋回するノスリ、チョウゲンボウ、鉄塔に止まり辺りを睥睨するオオタカを観察することができました。刈り取った稲を束ねて天日干ししている光景に懐かしさを覚えました。農園ではキウイの実がたくさん生っていて壮観です。夜は、スーパー・ムーンを楽しむことができました。因みに、本日の歩数は12,938でした。
閑話休題、『財政破綻に備える――今なすべきこと』(古川元久著、ディスカヴァー携書)は、現在、日本で進行している経済危機を簡潔に剔抉しています。
「近い将来の財政破綻や円暴落のリスクは、もはや回避不可能ではないかと思われるぐらい高まっている。こうしたリスクが万一現実化した場合に、その被害者となり、塗炭の苦しみを味わうのは国民だ」。「国家財政が大量の借金を抱えて破綻したら、第二次世界大戦後に一度起こったようにハイパーインフレになり、お金そのものの価値がなくなってしまう可能性も否定できない」。財政が破綻したら、「最も深刻なのは、国の歳出で一番大きい社会保障だ」。「結局のところ、極論ではあるのだが、国家財政が破綻して痛みを受けるのは、国ではなく国民だ」。「財政破綻したら、どの国でも自国通貨をドルに換金する」。「アベノミクスによる日銀の金融緩和で国債市場は異常事態」。
財政破綻はどうやって起きるのでしょう。「さまざまな事象が相互に関連しながら財政破綻に至るが、決定的に重要な要因は金利の上昇である」。
今後、日銀の行き着く先はどうなるのでしょうか。「結局、低金利のままでは、誰も国債を買わないから、ひたすら日銀が国債を買い続けなければならなくなる。するとそれだけ市中に通貨が出回るわけだから、通貨価値はどんどんと減っていく。大幅な金利上昇、大幅なインフレが起こるマグマはどんどん溜まっていく。いったい政府が発行する国債をすべて中央銀行が買うような国家を誰が信頼できるだろうか。そうなったら財政ファイナンスだと思われ、日銀の信用は失墜する。国債の格付けは下がり続けるだろうし、破綻すれば、通貨は暴落するから、その前に円建ての資産は投げ売られる。結局、日銀がいくら国債を買い続けても、やがては崩壊の道をたどることになるだろう」。
「『円安は善、円高は悪』は時代遅れの発想」。「通貨の価値は国力を表す」。「円安進行が招く国力の低下」。
では、どうすればよいのでしょう。著者は対応策を2つ挙げています。1つは、自立した地域社会を構築すること、もう1つは、我々が意識を変えること、具体的には、「足るを知る」ことだというのです。
対応策に関する記述はいささか物足りませんが、危機が迫っているという部分はビビッドに描かれているので説得力があります。