榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

『古事記』『日本書記』『源氏物語』『東海道中膝栗毛』は性愛文学だ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(341)】

【amazon 『本当はエロかった昔の日本』 カスタマーレビュー 2016年4月3日】 情熱的読書人間のないしょ話(341)

東京の目黒川沿いのソメイヨシノは、川面に映える様が何とも言えない風情を醸し出しています。因みに、本日の歩数は14,757でした。

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閑話休題、『本当はエロかった昔の日本――古典文学で知る性愛あふれる日本人』(大塚ひかり著、新潮社)は、「性愛」というキー・ワードで日本史をCTスキャンしたかのような一冊です。

●『古事記』や『日本書記』には、兄神・イザナギと妹神・イザナミの目合(まぐわい)によって、日本の国土や神々が生み出されたことが記されている、●『源氏物語』は、義母を初めとする人妻を次々と犯す光源氏の不倫物語だ、●能楽を大成させた世阿弥は大変な美少年で、時の将軍・足利義満の男色の対象であった、●歌舞伎の創始者・出雲の阿国は、10歳前後の少女が、「抱いて寝る夜の暁は 離れがたなの寝肌や」といった大人向けの色っぽい歌を歌いながら踊る「やや子踊り」で人気を博した、●『東海道中膝栗毛』の旅する主人公、弥次・喜多は男色カップルである(もっとも、この二人は男色も女色もOKの「両刀使い」だが)――など、CTスキャンによる日本史の断層写真が次から次へと紹介されていきます。

こういう切り口で日本史を振り返るのも一興ですね。