サクラの季節になると、心が騒いで落ち着かないという人向きの本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(371)】
散策中に、赤く輝いているノムラモミジを見つけました。春から秋にかけて常に紅葉しているそうです。隣の鮮やかな緑色は、葉が大きく裂が浅いオオモミジです。カシワの大きな葉は柏餅に使われます。ニシキギの黄色い小さな花が咲いています。ユーフォルビア・ブラックバードは、皿のような苞の上に蕾が載っている感じです。薄紫色のシラー・カンパニュラータの花が咲いています。我が家の片隅では、ブルーデージーの青い花が咲き始めました。因みに、本日の歩数は10,546でした。
閑話休題、『桜の樹木学』(近田文弘著、技術評論社)は、桜に関する全てを網羅するぞという意気込みが感じられるユニークな本です。
ソメイヨシノの起源は、こう記されています。「最近のDNA解析の研究によれば、『従前から単一であると言われていた<ソメイヨシノ>では、各地から収集されたものが同一のDNAパターンを示し、そのことが再確認された』そうです。また、エドヒガンが50%、オオシマザクラが40%、ヤマザクラとその他の野生種が、わずかずつ関与しているそうです。また別のDNA解析の研究では、『ソメイヨシノは、エドヒガン系のコマツオトメという園芸品種に近縁の園芸品種を母親とし、オオシマザクラ(多分園芸品種?)との交配によって生じた』といいます。ソメイヨシノの起源はまだ分らない状態のようです」。
カンヒザクラについて、面白いことが書かれています。寒緋桜あるいは緋寒桜と書かれるカンヒザクラは、日本の野生種ではない海外のサクラであるヒマラヤザクラ直系のサクラだというのです。
カワヅザクラは、カンヒザクラと日本の野生種・オオシマザクラとの自然雑種と言われているので、日本のサクラとヒマラヤのサクラを繋ぐ存在だと記載されています。
野生種(=自然種、自生種)とは、亜種、変種、品種とは、そして園芸品種とは――といったことも、分かり易く説明されています。
サクラの季節になると、心が騒いで落ち着かないという人向きの一冊です。