「努力の娯楽化」が仕事のカギだという発想・・・【情熱的読書人間のないしょ話(382)】
うちでもバラが咲いているわよ、と女房に言われて庭に出てみたら、片隅で小さな一重の淡い桃色の花が慎ましく咲いているではありませんか。出しゃばりな私とは正反対の性格の女房みたいなバラだなと近づいた瞬間、大きく鋭い棘に刺されてしまいました(笑)。センテッドゼラニウム(ハーブゼラニウム)も芳香がする薄桃色の花を付けています。毎日10,000歩以上を目標に歩いているせいか、11カ月でウォーキング・シューズが破れてしまいました。そこで、今日から黒色の新しい靴に替えました。千葉・柏のこんぶくろ池の湧き水は樹木の新緑を映しています。池の脇には野馬土手の遺構が残されていて、軍馬のいななきが聞こえてきそうです。因みに、本日の歩数は10,534でした。
閑話休題、『「好き嫌い」と才能』(楠木建編著、東洋経済新報社)は、何をやるにしても「好きこそものの上手なれ」が最強の原理原則だと信じている楠木建が、さまざまな分野で余人を以て代え難い仕事をしている19人との対談を通じて、それぞれの才能の起点にある「好き嫌い」を探ろうというユニークな対談集です。
これだけ目的がはっきりしている対談集というのも珍しいのですが、それだけに各人各様の「好き嫌い」がくっきりと浮かび上がってきて、いい仕事と「好き嫌い」の関係を考える恰好の機会になりました。
「客観的に見れば大変な努力投入を続けている。しかし、当の本人はそれが理屈抜きに好きなので、主観的にはまったく努力だとは思っていない。むしろ楽しんでいる。すなわち『努力の娯楽化』、これが仕事における最強の論理だというのが筆者の考えだ」。
「自分のほうを向いた趣味と違って、自分以外の誰かの役に立っての仕事。人に価値を提供しなければ話にならない。人の役に立てるということは、そのことについてよっぽど上手だということ。じゃあ、なぜそれほど上手なのか。有り体に言って努力投入してきたから。しかも、長い間やり続けているということですね。結局のところ、努力量の積分値が大切に決まっている。ここから先がポイントなのですが、『努力の長期継続』といっても、実際のところフツーの人にとってはなかなか難しい。僕にしてもそうです。娯楽なら何の苦もなく続けられるのに、努力は続かない。で、ある時に脳内革命が起きた。『努力』をしようと思うから続かない。『努力が努力じゃない状態』になればいい。すなわち『努力の娯楽化』が仕事のカギだという発想です。客観的には努力であることがその人にとっては娯楽に等しくなる。その理由は、要するに『好きだから』。以上の一連のロジックの最初と最後を取ると、『好きこそものの上手なれ』になる」。
自分の一番好きなことは何か、よし、その好きなことをこれからも続けていこうと、心に誓った私でした。