榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

目に不安を感じている高齢者にお薦めの一冊・・・【情熱的読書人間のないしょ話(463)】

【amazon 『目の病気がよくわかる本』 カスタマーレビュー 2016年7月27日】 情熱的読書人間のないしょ話(463)

我が家の玄関には、かわいいフクロウがいます。その棲みかの籠に投げ込まれている、畳表に使われるイグサがいい香りを放っています。小さくとも和風の庭がある店での昼食は、心が和みます。

P1100147

IMG_0450

閑話休題、読書が趣味という人間にとって、目が見えなくなっては大変です。『目の病気がよくわかる本――緑内障・白内障・加齢黄斑変性と網膜の病気』(大鹿哲郎監修、講談社)は、年齢を重ねると罹り易くなる眼疾患が、イラストを用いて分かり易く説明されているので、助かります。

「放置しないで! 目に起きている変化」、「失明原因第1位、緑内障から目を守る」、「白内障を治して快適に暮らそう」、「急増する加齢黄斑変性と網膜の病気」、「目の悩みを減らす生活術」の章のいずれも参考になりますが、とりわけ白内障の治療は勉強になりました。

白内障治療に使用する眼内レンズは、一度入れたら一生そのレンズを使うのが基本であること、単焦点レンズと多焦点レンズがあること、多焦点レンズを入れる水晶体再建術は、先進医療を実施している医療機関では全額自己負担になるのはレンズ代・手術代だけで、診療・検査などにかかる費用には健康保険の適用が認められること――などが明記されています。

この他。加齢黄斑変性の治療法には、レーザー治療、抗VEGF療法、PDT(光線力学的療法)の3つがあること、硝子体の萎縮が原因で、網膜裂孔から網膜剥離に進む症例が多いが、これらは早期発見・早期治療により網膜に開いた孔を塞ぎ、剥がれた網膜をもう一度眼底に付けることができること――などが解説されています。

目に不安を感じている高齢者、目のことで悩んでいる高齢者にお薦めの一冊です。