榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

名セリフと絵と文で、往年の映画青年をワクワクさせる和田誠の本・・・【情熱的読書人間のないしょ話(479)】

【amazon 『お楽しみはこれからだ』 カスタマーレビュー 2016年8月10日】 情熱的読書人間のないしょ話(479)

東京・芝公園の東京タワー水族館で、クマノミ、カクレクマノミやコンゴウフグの3cmぐらいの幼魚に出会うことができました。私たち夫婦は天の邪鬼ですので、人々にちやほやされているスカイツリーより東京タワーのほうを応援しています。因みに、本日の歩数は10,840でした。

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閑話休題、私は学生時代、映画大好き人間で、時間があれば洋画、邦画を問わず、見捲っていました。往年の映画青年にとって、和田誠の絵と文が洒落ている『お楽しみはこれからだ――映画の名セリフ』(和田誠著、文藝春秋。出版元品切れだが、amazonなどで入手可能)は懐かしさが詰まった作品です。

『サンセット大通り』に関して。「この映画でのウィリアム・ホールデンとナンシー・オルスンの会話、『君はとてもいい匂いだ』『私は香水をつけてないわ』『洗いたてのハンカチのようだ』というのがとても気に入り、将来ぜひとも使ってやろうと思っていたが、ついに実現しないまま嫁を貰ってしまった」。

『パリで一緒に』について。「ホールデンがタイピストのオードリイ・ヘプバーンに言う。『秘密を教えよう。<フランケンシュタイン>と<マイ・フェア・レディ>は同じ話なんだ』。人間が人間を作る。または作りかえるという発想は同じで、やり方によっては怪奇物にもなるし、ロマンチックなものにもなるという、いわば脚本作法を言ったものである」。

『チャップリンの殺人狂時代』に関して。「『一人を殺せば犯罪者だが、百万人を殺せば英雄だ』。このセリフ、映画をはなれて、反戦運動のスローガンとして有名になってしまったのではないかと思う。革命家が吐いた言葉のようにも思われる。映画ファンにとっては言わずと知れた、『チャップリンの殺人狂時代』における殺人者ヴェルドー氏の言葉である」。チャールズ・チャップリンは、この映画を通じて戦争による殺戮の正当化を弾劾したのです。

『トップ・ハット』のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの会話。「『雷が怖い?』『いいえ。うるさいだけ』『雷って何だか知ってる?』『ただの空気でしょ』『ちがうよ。男の雲が雲の女の子を追いかける。女の子が泣く。それが夕立だ。男の雲がなぐさめて二人は恋をする。それが稲妻だ。二人はキスをする。それが雷さ』」。

『パリの恋人』は、自分を美しくないと思い込んでいる女の子を写真家がファッション・モデルに仕立て、そして恋に落ちる話。「『君は何を美しいと思う? 樹かい? だったら君は樹に似ているよ』」。私が若かったら、ぜひ使ってみたい言葉です。

『黒衣の花嫁』について。「『楽観論者と悲観論者は、幸せな馬鹿と不幸な馬鹿だ』」。

『モロッコ』のゲイリー・クーパーのセリフ。「『女にはずいぶんいろんな事を言ったが、君には誰にも言わなかったことを言いたい。もう十年早く会いたかった』」。

和田の映画遍歴を辿れるのも、本書の楽しみの一つです。