榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

かぐや姫や桃太郎は、地球へやって来たエイリアンだったのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(682)】

【amazon 『かぐや姫はいやな女』 カスタマーレビュー 2017年2月26日】 情熱的読書人間のないしょ話(682)

東京・杉並の井草の散歩会に参加しました。宝珠山観泉寺では、ウメ、カンヒザクラ(ヒカンザクラ)が咲き競っています。荻窪八幡神社は源頼義や太田道灌縁(ゆかり)の神社です。文明9(1477)年に江戸城主・道灌が石神井城主・豊島泰経を攻めた時、通ったと伝わる橋の跡に碑が立っています。江戸時代、飢饉に備え雑穀を蓄えておいた蔵・穀櫃が民家に遺されています。昭和の匂いが漂う民家を見かけました。因みに、本日の歩数は21,303でした。

閑話休題、私の好きな椎名誠のエッセイ集であること、読み聞かせヴォランティアで昔話を読む機会が多いこと、この2つの関心事の交差点に位置する『かぐや姫はいやな女』(椎名誠著、新潮社)を手にしました。

何と、かぐや姫や桃太郎は、地球へやって来たエイリアンだったというのです。

「エイリアン・かぐや姫はバーチャルな美貌で地球の男をひきつける。特にはげしく結婚をせまった5人の貴公子が出てくる。その中には壬申の乱で活躍した実在の人物が登場しているのだからオトギ話じゃなくドキュメント婚活みたいになってくる。5人のうち阿倍御主人、大伴御行、石上麻呂足の3人がそれである。あとの庫持皇子は藤原不比等とされ、不比等は天智天皇の落胤との説がある。石作皇子のモデルは丹比嶋と推定されている。それらの男どもにエイリアン・かぐや姫は、自分と結婚したければあれを見つけろこれをしろと彼らに無理難題を吹きまくる。・・・(自分の要求が叶えられなかったことを受け)かぐや姫は悲しむふりをして、おじいさんとおばあさんに落胆のあまり『月に帰らなければなりません』などという。まったくあくまでもいやな女ではないか」。

「真相をいえば、かぐや一派はとりあえず地球をさぐりにきた、と考えるのが妥当だろう。成果としては、①地球の人はみんなお人好し、②男たちはみんなスケベで腰抜け、③地球にタカラモノは何もない、といったところだったろう」。

私と同世代の椎名が、相も変わらず、好き勝手なことを椎名流で書き散らしているのを目にして、椎名、未だ健在なりとの感を強くしました。