榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

「より少ない生き方」を始めると、どのようなメリットが得られるのか・・・【情熱的読書人間のないしょ話(727)】

【amazon 『「より少ない生き方」を始めると、どのようなメリットが得られるのか』 カスタマーレビュー 2017年4月16日】 情熱的読書人間のないしょ話(727)

茨城・桜川の岩瀬の高峯では、自生のヤマザクラがパッチワークのように咲き競っています。櫻川磯部稲村神社は、シラクモサクラ、カバニオイ、ウスケサクラ、ゲンシサクラなどが咲くヤマザクラの宝庫です。この神社には、エドヒガンと、その突然変異体で、室町時代から「糸杉」と呼び慣らわされている枝垂れ桜もあります。因みに本日の歩数は19,744でした。

閑話休題、『より少ない生き方――ものを手放して豊かになる』(ジョシュア・ベッカー著、桜田直美訳、かんき出版)は、読者が著者のように「ミニマリストになる」こと、すなわち「より少ない生き方」をすることを勧めています。

著者は元牧師だけあって、聖書におけるイエスの事績が随所で引用されていますが、本書のエッセンスは3つに絞ることができます。

その第1は、ものを手放すと多くのメリットが得られるということです。
●時間とエネルギーが増える
●お金が増える
●人のためになることができる
●自由が増える
●ストレスが減る
●環境にやさしい
●質のいいものを持てる
●子供のいい手本になれる
●人に面倒をかけない
●人と比べなくなる
●満足できる

「時間が増え、お金が増え、ストレスが減り、心配事が減り、自由が増える。まさにいいことずくめではないだろうか?」。

第2は、ものを手放すと大切な夢を実現できる、少ないもので暮らすと人生が変わるということです。

「ミニマリストになると、その瞬間からいちばん大きな夢を追求する自由が手に入る。所有物が少なくなれば、それだけ意味のある行動に使える時間が多くなる。旅行する自由が手に入り、心が穏やかになる。頭の中がすっきりするので、難しい問題を解決する気力がわいてくる。お金に余裕ができるので、意義のある活動を支援することができる。本当にやりたい仕事を目指すこともできる。・・・また、ミニマリズムには、人間関係を改善してくれるという利点もある。・・・人生から不要なものがなくなれば、本当に大切なものを追い求めることができる。その結果、人生の満足感が飛躍的に大きくなるのだ。・・・ただものを減らすことだけが目的ではない。大切なのは、もっと大きな人生を生きることだ」。

「ミニマリズム=いちばん大切にしているものを最優先にして、その障害になるものはすべて排除すること。ミニマリズムのいいところは、ものが減ることではない。本当の利点は、豊かさが増えることだ」。

第3は、何のために生きるのかを見詰め、目的意識を持って生きることで、人生の全てでより意識的に生きられるということです。

具体的には、「まずはスケジュールだ。忙しさを健全なレベルに保ち、いちばん大切な活動に集中する。2つめは健康だ。見た目にばかりこだわらず、健康であることを重視する。体が健康であれば、大切な目的のためにがんばることができる。そして3つめは人間関係だ。害になる関係は手放し、自分にとって大切な関係なら、たとえ目に見える利益がなくても、努力して維持していく。大きな喜びを経験できるのは、人生のすべての側面で、賢くて健全な習慣を確立している人だ。彼らは能力を最大限に生かし、想像もしていなかったようなすばらしいことを達成できる。ミニマリズムの目的も、人生で何かを達成することだ。ミニマリズムを実践すると生活に余裕が生まれ、本当に大切な夢を追求できるようになる」。