88歳の著者から70歳代の後輩たちへの激励の書・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1749)】
節分が近づいてきましたね。
閑話休題、『70歳からの人生の楽しみ方――いまこそ「自分最高」の舞台に立とう!』(櫻井秀勲著、きずな出版)は、88歳の著者による、70歳代の後輩たちへの激励の書です。
「年を取ると、過去に目が向くようになります。・・・過去もいいものですが、未来もあります。高齢者には未来がないというのが、これまでの常識でしたが、いまはそんなことはありません。高齢者こそ、未来に希望を持って生きていくことが大切だと思うのです。・・・いくつになっても、『明日、こうなったらいいな』『来年はこうしよう』という目標や目的を持つのは大事なことです。それがあれば、生きていくことが楽しみになります」。
著者は、歩くときの姿勢を意識しようと呼びかけています。「姿勢を正すと、歩幅は自然と、大きくなります」。私も、散策時、いつも女房から「姿勢を正しく!」と注意されています。
「教養の有る無しで、その人の品格が決まります。70歳を過ぎたときにいちばん大切なのが、この品格ではないかと私は思っています。品格のある人は、まわりから大切に扱われます。それだけ幸せに、日常を送ることができるはずです」。
「自分のそれまでの世界とは違う人たちとつながることで、新たな情報や知識も入ってくるはずです。それこそが、学び直しのもう一つの効果であり、いくつになっても、社会に貢献できる自分づくりの基礎になるものだと思います」。私も、いろいろな観察会や散歩会で、年齢の異なる仲間たちと話すことで、刺激を受けたり、ヒントを得たりしています。
「(何か新しいことを始めようとするとき)大切なのは、自分が、それにどれだけの情熱を向けられるか、ということです。情熱というのは、年を重ねるほどに燃えにくくなっていきます。それこそが老化だと思うのですが、自然現象ともいえるもので、仕方のないことかもしれません。だから、『何か始めよう』と思っても、案外、そのことに固執しないでいられるのです。そうだとすれば、『お金がないからできない』ということの3回に1回は、思い切って、お金を使ってみてはどうでしょうか。思いがけない未来の扉が開いていくかもしれません」。私の一番好きな言葉は「情熱」なので、大きく頷いてしまいました。
パートナーとの時間を、いまこそ大切にしようとアドヴァイスしています。「パートナーと過ごす時間を、いままで以上に大切にしていきましょう。人生100年時代といっても、その時間が確約されているわけではありません。自分が先か、相手が先かはともかく、別れのときが来るまで、後悔のない時間を持つことです」。価値観を同じくするパートナーと共に過ごす時間より大切なものはないと、私も考えています。
「70歳を過ぎたら、『自分に残された時間』を考えてみましょう。限りある時間に、●自分は何をしたいか、●どんなふうに過ごしたいか、●誰と過ごしたいか――そう考えてみると、いまの時間の過ごし方を見直すことにもなるでしょう」。
自分のこれからの予定を手帳に書き込んでいくことを勧めています。「仕事を離れると、手帳を持たなくなる人もいるかもしれません。予定があっても、カレンダーに書き込むだけですませてしまうものです。私は、70歳になった人にこそ、手帳を持つことをオススメします」。私の手帳には、1年先まで予定が入っています。