『松岡正剛 千夜千冊』を読む前に、書評を書き上げてしまう私の習慣・・・【情熱的読書人間のないしょ話(22)】
私の書斎の一番下の書棚の54cmを『松岡正剛 千夜千冊』(松岡正剛著、求龍堂、全7巻+特別巻)が独占しています。私が書評を書くときは、敢えて、『千夜千冊』の該当書籍のページを開かないようにしています。原稿を書く前に松岡の書評を読んでしまうと、強い感化を受ける虞があるからです。そこで、書き上げた後に松岡の滋味溢れる書評を読むことにしているのですが、当然のことながら、その都度、感嘆の吐息が漏れてしまいます。
『千夜千冊』の特別巻の巻末の「千夜千冊を全集にしてみて」で、ウェブで連載した「千夜千冊」を全集という形で書籍化する日々の苦労を、松岡自身が語っています。1,144冊の本を、「第1巻 遠くからとどく声」「第2巻 猫と量子が見ている」「第3巻 脳と心の編集学校」「第4巻 神の戦争・仏法の鬼」「第5巻 日本イデオロギーの森」「第6巻 茶碗とピアノと山水屏風」「第7巻 男と女の資本主義」に振り分けようというのですから、松岡の天分を以てしても並大抵の労苦ではなかったことでしょう。
私のブログ「榎戸誠の情熱的読書のすすめ」の読者の方々から、「コンテンツが多くなったため、バックナンバーの目指す書籍になかなか辿り着けない」という苦情が寄せられたため、今回、思い切って、リニューアルを断行いたしました(http://enokidoblog.net/)。
サイトマップの役割をする12のテーマの枠を新設いたしました。「第1章 宇宙・進化・生物の不思議」「第2章 歴史の再発見」「第3章 探検への憧れ」「第4章 女性という不可解な存在」「第5章 愛は万華鏡のごとく」「第6章 差別許すまじ」「第7章 仕事にロマンを」「第8章 人生とは何だろう」「第9章 読書の喜び、思索する愉しみ」「第10章 人生はドラマだ」「第11章 文章の奥深さ」「第12章 理想の暮らしを夢見て」のいずれかに、これまで読んだ本1,274冊を仕分けするこの作業は、本当に大変でした。どの章に収めるべきか悩む微妙なケースが多かったからです。松岡と私ではレヴェルが異なりますが、彼の苦労が俄然、身近に感じられました。