あなたの大切な人が重大な病気になってしまったときの3つのヒント･･･【情熱的読書人間のないしょ話（950）】
東京・新宿の新宿御苑でオシドリを撮影し、紅葉、黄葉を楽しんでから、近くの明治神宮外苑のイチョウ並木を見に行きました。秋晴れの空に向かって黄色いイチョウたちが存在を強く主張しています。明治神宮外苑に隣接する新国立競技場の建設が進められています。紀伊國屋書店新宿本店で本を探した後、私も幹事を務めている都立富士高の同期会に出席しました。80人を前に、「あなたの大切な人が重大な病気になってしまったときの3つのヒント」と題したミニ講演を行いました。
【ヒントその1．代替医療に頼らない】
●代替医療
代替医療とは、通常医療の代わりに用いられる医療ですが、代替医療に頼った不幸なケースとして、市川海老蔵夫人の小林麻央を挙げることができます。彼女は乳がんと判明したのに、標準治療を拒否し、代替医療の一つである温熱療法に頼り、34歳で亡くなってしまいました。乳がんの専門医によれば、標準治療を選択していれば、こんなに早く死亡することはなかっただろうということです。
●標準治療
標準治療とは、科学的根拠に基づいた、「現時点では最も効果が期待できる優れた治療法」で、ドクターたちが治療の指針としているものです。
●先進医療
先進医療とは、厚生労働省が定めたものです。「最先端の医療」であることは間違いありませんが、必ずしも「優れた医療」であるかは微妙です。そして、健康保険でカヴァーされませんので、かなりの費用がかかります。先進医療を選択した成功例として、村野武範を挙げておきましょう。72歳の彼は、中咽喉がんの最も進行している段階、ステージⅣと診断されましたが、先進医療の一つである陽子線治療を選択し、回復することができました。
【ヒントその2．その病気に関する基本的な医学知識を身に付ける】
●がんの中でも一番やっかいな膵臓がんを例にとった場合、パソコンで「膵臓がん MSDマニュアル」と打ち込みます。私が長く勤務した三共、現在は第一三共となっていますが、そのライヴァル会社のMSDという製薬企業の「MSDマニュアル」は、世界中のドクターから最も信頼度が高いと評価されています。
●MSDマニュアルには家庭版とプロフェッショナル版がありますが、家庭版で必要十分な知識が得られます。どうしても、もっと高度の知識を得たいという場合は、家庭版からプロフェッショナル版へ移動することもできますが、こちらは専門医向けの内容になっています。
【ヒントその3．できるだけいいドクターに診てもらえるよう頑張る】
●いいドクターを見つける方法としては、信頼できる人から情報を得るのが一番ですが、そういう人がいない場合は、インターネットで検索・調査することになります。
●いいドクターが見つかったら、身近なドクターに紹介状を書いてもらいます。自分が今かかっているドクターに紹介状を書いてもらうと、そのドクターが気分を壊すのではないかなどと気を使っている場合ではありません。何しろ、あなたの大切な人の命が懸かっているのですから。
●紹介状を書いてもらうときは、あなたがかかりたいと目指しているドクターの病院名、科名、肩書き、フル・ネイムを予め調べておく必要があります。紹介状を書くドクターが紹介先のドクターと知り合いでなくとも、紹介状は書くことができます。
●紹介状を書いてもらったら、目指す病院に電話し、「どうしても○○先生の診察を受けたいのです。○○先生宛ての紹介状を持っています」と告げます。
●少々ややこしいことがあるかもしれませんが、目指すドクターの診察に漕ぎ着けられるまで頑張りましょう！