昔、見た外国映画の懐かしい画面が鮮やかに甦る・・・【情熱的読書人間のないしょ話(961)】
東京・中央の聖路加国際大学の聖ルカ礼拝堂のステンドグラスは、静かに輝いています。私が三共(現・第一三共)のMRとして聖路加国際病院を担当していた当時、この礼拝堂は心安らぐ場所でした。銀座まで歩き、来年用の手帳や年賀葉書を求めた後、訪れた日比谷公園では紅葉、黄葉が最後の頑張りを見せてくれています。因みに、本日の歩数は20,026でした。
閑話休題、『外国映画 ぼくのベストテン50年――オール写真付きで名作500本がぎっしり』(双葉十三郎著、近代映画社)を読んで、懐かしさが込み上げてきました。
著者が選んだ、1951年~2000年の各年の外国映画ベストテン作品が写真と文章で回顧されています。
1952年第1位の『第三の男』、1953年第3位の『ライムライト』、第7位の『終着駅』、1955年第5位の『旅情』、1960年第1位の『太陽がいっぱい』、1963年第7位の『アラビアのロレンス』、1966年第1位の『市民ケーン』、1970年第8位の『明日に向かって撃て!』、1973年第5位の『ポセイドン・アドベンチャー』、1982年第2位の『黄昏』、1988年第7位の『芙蓉鎮』、1999年第7位の『運動靴と赤い金魚』などの画面が鮮明に甦ってきます。
『終着駅』の説明を読んだら、無性に、もう一度、見たくなってしまいました。「夫の許へ帰る列車を待つジェニファー・ジョーンズを、決心して別れた愛人モントゴメリー・クリフトが追ってくる。再び情熱が燃えあがり、二人は待避線にとまっていた空車にもぐりこみ欲望を満たそうとしているところを駅員に見とがめられ、公安室につれていかれる。そして最後に彼女が彼を残して去っていくラストまで、痛ましいまでの情感があふれてくるのは、デ・シーカ演出のうまさもさることながら、ジェニファーの熱演に負うところが大きい」。
『黄昏』も、再度、見たくなった作品です。「ニュー・イングランドの湖の畔にある別荘に、今年も老夫婦(ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーン)が夏を過ごしにやってくる。フォンダはすこしボケかけている。50年もつれ添っているキャサリンにはなんでもわかっており、それとなく気を使う。先ずこの開巻から、御両人の持味を充分に生かした好演が、ぼくをなんともいえないいい気分にさせてくれた」。
映画って、本当にいいですね。