ヒトが他の動物と決定的に異なる知能を備えるに至った理由とは・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1293)】
【amazon 「日経サイエンス 2018年12月号」 カスタマーレビュー 2018年11月5日】
情熱的読書人間のないしょ話(1293)
あちこちで、さまざまな色合いのキクの花が香っています。カキの実、ウンシュウミカンの実が鈴生りになっています。因みに、本日の歩数は10,748でした。
閑話休題、「日経サイエンス2018年12月号」(日経サイエンス社)に掲載されている「思考力をもたらした2つの性質」(T・ズデンドルフ著、熊谷玲美訳、鈴木光太郎監修)では、ヒトが他の動物と決定的に異なる知能を備えるに至った理由が明らかにされています。
「人間に特有の2つの性質によって、それらの能力は私たちと動物とを隔てる知的能力へと変化した。1つは、入れ子構造を持つシナリオを構築する能力だ。この能力のおかげで、私たちはいくつかの異なる結果を持つ複数の状況を想像して、関連する出来事についてのより大きな物語にそれらを組み込むことができる。もう1つは、互いの心を結びつけたいという欲求だ。人間には考えを他者と交換したいという欲求があり、それによって個人の能力以上の成果を上げることができる。これら2つの特性は互いを増幅させて私たちの心を変え、言語や心の中での時間旅行、道徳、文化、『心の読み取り』(他者の考えを見抜くこと)、周囲の世界に関する抽象的な説明を構築して共有する能力をもたらした」。
短いが、「入れ子構造を持つシナリオの構築」と「互いの心を結びつけたいという欲求」の2つを明確に示した意義深い論文です。