零落したピアノ教師の老女が開いた発表会で起きた奇跡のような出来事・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1445)】
【amazon 『ピアノ・レッスン』 カスタマーレビュー 2019年4月4日】
情熱的読書人間のないしょ話(1445)
千葉・柏を流れる大堀川沿いのソメイヨシノの並木は何kmも続いています。コブハクチョウ、コサギ、カワウ、カルガモ、コガモの雄、雌、オオバン、ヒヨドリ、ハクセキレイ、シジュウカラをカメラに収めました。因みに、本日の歩数は14,330でした。
閑話休題、ノーベル賞を受賞した短篇の名手という触れ込みを受けて、『ディア・ライフ』(アリス・マンロー著、小竹由美子訳、新潮クレスト・ブックス)を読んでみたが、他人の評価は参考にするが鵜呑みにはしないタイプの私にとって、本短篇集は何とも不可解な作品の連続でした。私の理解不足のせいか気になったので、今回出版された同じ著者の処女短篇集『ピアノ・レッスン』(アリス・マンロー著、小竹由美子訳、新潮クレスト・ブックス)を手にしたわけです。
例えば、収められている表題作の「ピアノ・レッスン」では、零落した不器量で善良なピアノ教師の老女が開いた生徒たちのピアノ発表会で起きた奇跡のような出来事が、その場に居合わせた少女の視点から描かれています。
この処女短篇集を読み終わっても、私が親しんできた国内外の優れた短篇とは明らかに異質という印象は変わりませんでした。しかし、この異質さがマンロー・ファンを惹きつけているのでしょう。
このもやもやした気分が尾を引いて、マンローの本が出たら、またまた手にしてしまう気がしています。こういう気持ちにさせられるというのは、作品の力かもしれません。