売れっ子女流作家に、住み込み家政婦として雇ってほしいという手紙が舞い込んだ・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1614)】
千葉・松戸の金ケ作を巡る散歩会に参加し、祖光院、金ケ作自然公園、立切の森、金ケ作竹林(モウソウチク)、三吉の森を訪れました。ヒガンバナ属のヒガンバナ(赤色)、シロバナマンジュシャゲ(白色)、ショウキズイセン(ショウキラン、リコリス・トラウビ。黄色)、園芸品種(桃色)の花をカメラに収めました。シロバナマンジュシャゲはヒガンバナとショウキズイセンの自然交雑種と言われています。ツルボの花、アズキの原種ともいうべきヤブツルアズキの花と実、ボダイジュの苞と実、コナラの木と実(ドングリ)、皮を水に浸けると泡立つムクロジの実、イヌシデの雌花序の翼(よく)と実、モウソウチクの突然変異のキッコウチクを観察することができました。因みに、本日の歩数は10,715でした。
閑話休題、短篇集『夫が邪魔』(新津きよみ著、徳間文庫)に収められている『夫が邪魔』は、書簡体の推理小説風の作品であるが、夫婦のあり方について考えさせられました。
売れっ子小説家・朝倉夕子のもとに、片山京子と名乗る女性から熱烈なファン・レターが送られてきたところから、物語が幕を開けます。それは、夕子が家事や夫の世話に時間を奪われることなく、執筆に専念できるように、住み込みの家政婦として雇ってほしいという内容でした。
稼ぎの多い妻への嫉妬から、自分は会社勤めを辞めて、妻に勝手なことばかり要求するは、夕子の莫大な財産を当てにするはの夫に、我慢の限界を感じていた夕子は、文通を重ねた後に、京子を雇用するに当たっての交換条件を持ち出します。「念願叶ってついに先生にお会いすることができたというのに、普通ならもっと気分が弾んでいてもいいはずなのに、この落ち込みぶりはどうしたことでしょう。確かに気分は高揚しています。ですが、その高揚は喜びゆえのものではありません。先生も当然、私の現在の心理状態についてはお察しのことと思います。私は先生にあんなことを頼まれるとは、想像もしていなかったのですから」。
意外な展開は、ここで終わりません。さらなるどんでん返しが待ち構えているとは、神ならぬ身の知る由もありませんでした。
ただ私に言えるのは、新津きよみという作家に出会えてよかったということと、夫婦の関係を長期間、良好に保つことは本当に難しいということです。