「見守りボランティア」先の73歳の女性と、66歳の男が星を見る旅に出た・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1728)】
【amazon 『黄昏流星群(61)』 カスタマーレビュー 2020年1月8日】
情熱的読書人間のないしょ話(1728)
東京・台東の不忍池では、ユリカモメが飛び交っています。オオバン、ヒヨドリ、スズメもいます。因みに、本日の歩数は10,967でした。
閑話休題、コミックス『黄昏流星群(61)――星を取る丘』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「星を取る丘」は、晩年をどう過ごしたらいいのかを考えさせられる作品です。
退職して退屈した、独り暮らしの岸和田弘、66歳は、「見守りボランティア」を始め、まだら呆けの状態の酒巻紀子、73歳を担当することになります。そして、1カ月後、突然、紀子から「今まで隠していてごめんなさい。私、ちっともボケでないわよ」と驚きの告白をされます。情を交わした二人は、星が綺麗に輝いて見えるという鳥取砂丘への内緒の旅に出ます。旅先で自殺志願の若い女性、赤川有里を救い、奇妙な三人旅が始まります。
人生とは何か、共に生きていくとはどういうことか、これからは、どういう人と生きていけばいいのか――よく練られた中篇小説を読み終わったときと同じ満足感が、私の胸を浸しています。