戦国時代の敗者の廃城の探訪記・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1736)】
【amazon 『戦国廃城紀行』 カスタマーレビュー 2020年1月15日】
情熱的読書人間のないしょ話(1736)
コガタスズメバチかキイロスズメバチのものと思われる使用済みの巣が見つかりました。さまざまな色合いのパンジーが咲き競っています。因みに、本日の歩数は10,011でした。
閑話休題、『戦国廃城紀行――敗者の城を探る』(澤宮優著、河出文庫)からは、敗者の廃城に寄せる著者の思いが伝わってきます。「何百年も放置されたままの廃城の姿は、敗者の城に相応しい。その物悲しさ、栄光からの凋落、寂しさ、そんな人間臭さをもっとも漂わせているのが、廃城の特色である。そこに城主の無念の肉声、息づかいをじかに聞き取れる思いもする」。
「家康を敵にまわした石田三成の佐和山城――過ぎたるものは・・・要衝の山城」、「友情に殉じた猛将、大谷吉継の敦賀城――日本海に浮かぶ要塞」、「秀吉の期待を集めたキリシタン大名、小西行長の宇土城――『惣構』の城郭都市」、「大陸への拠点。埋もれた城、麦島城――肥後を治めた小西行長、もう一つの城」、「信長の愛妹が嫁した浅井長政の小谷城――難攻不落、悲劇の山城」、「築城の名手、明智光秀の坂本城――湖水に浮かぶ水運の名城」、「マニラに追放された高山右近の高槻城――豪将の貴賤なき城郭」――が、とりわけ印象に残りました。
数十年前の三共(現・第一三共)・熊本出張所時代に、担当地域にあった宇土の宇土城、八代の麦島城の跡を訪ねずに終わってしまったことが悔やまれます。