榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

心温まる出会いを求めて、今日も本屋に行こう・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1829)】

【amazon 『世界の夢の本屋さん(3)』 カスタマーレビュー 2020年4月16日】 情熱的読書人間のないしょ話(1829)

薄紫色の花を付けたショカツサイ(オオアラセイトウ)が群生しています。ナノハナ(セイヨウアブラナ)とセイヨウカラシナが咲き競い、黄色に染まっています。よく似た花を咲かせるナノハナとセイヨウカラシナは、葉の付き方――ナノハナの葉は茎をぐるっと取り囲むように付いており、セイヨウカラシナは木の枝のように付いている――で見分けます。さまざまな色合いのアイスランドポピーが風に揺れています。セイヨウタンポポの種子(綿毛、冠毛)は、よく見ると、幾何学的な美しさを有しています。スギナが群生しています。ツクシはスギナの胞子茎です。

閑話休題、大型写真集『世界の夢の本屋さん(3』(清水玲奈著、エクスナレッジ)では、仲人のような世界の本屋が紹介されています。

「本屋さんは、仲人のような存在だ。本は、誰かが何かを伝えるためにこの世に生み出したもので、本屋さんは、それをできるだけ多くの人に届けることに日々貢献している。そして、カフェやイベントで、本に囲まれた素敵な空間での人どうしの出会いの場も用意していてくれる。人気の本屋さんの店長さんや書店員さんが誇りを持って口にするのが、『私たちの本屋はコミュニティーだから、インターネット書店はライバルではない』という言葉。本が好きな人たち、あるいは本のある空間が好きな人たちが、お気に入りの書店に集い、ゆるやかな共同体を形成している。そんな輪に加わりたいと願う人たちは近年増え続けているらしく、『コミュニティーとしての本屋』を自称するお店は、どこも好調だ。・・・本屋さんは、人が本と出会い、対話する場所。そして、人が人と出会い、対話する場所でもある。本選びも読書も、孤独な作業ではない。世界中の人たちがそうしているように、心温まる出会いを求めて、今日も本屋さんに行こう」。

●カフェブレリア・エル・ペンドゥロ(メキシコシティ)。「並木が美しいメキシコシティのポランコ地区。友達の家に招かれたような、居心地のいい本屋さん。緑と本が満ち溢れた店内やテラスから、今日も笑い声が聞こえる」。

●ポルア書店(メキシコシティ)。「市民に親しまれる森林公園の一角。池のほとりにある本屋さんは、別荘のような佇まいだ。テラスで本を開けば、巨大都市メキシコシティの喧騒はますます遠のく」。

●レロ書店(ポルト)。「ワインでも名高い世界遺産の港町ポルトが、世界で最も美しい本屋と誇る名所。『天国への階段』を昇れば、本が誘う魔法の世界に旅立てる」。

●バーツ・ブックス(オハイ)。「ロサンゼルスの北西に位置する小さな山間の町、オハイ。伝説的なアウトドア書店は、カリフォルニアの乾いた気候と自由な気風に育まれてきた」。

「おわりに」で触れられている『なぜ古典を読むのか』(イタロ・カルヴィーノ著、須賀敦子訳、河出文庫)と『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』(ウンベルト・エーコ、ジャン・クロード・カリエール著、工藤妙子訳、阪急コミュニケーションズ)を読みたくなってしまいました。