あなたが殺人を犯した日に、あなたから施された電車賃をどうしても返したいという若者が現れたら、あなたならどうする?・・・【情熱的読書人間のないしょ話(1975)】
【読書クラブ 本好きですか? 2020年9月10日号】
情熱的読書人間のないしょ話(1975)
コゲチャオニグモ、あるいはヤマシロオニグモの無紋型と思われるクモ(写真1)を見つけました。ジョロウグモ(写真2、下が雌、上が雄)、ハグロトンボの雄(写真3)をカメラに収めました。季節外れのクチナシ(写真4)が芳香を放っています。我が家の庭師(女房)が種から育てたセンニチコウ(写真5)も頑張っています。
閑話休題、疲れた頭をほぐしたいときは、赤川次郎の短篇推理を読むことにしています。
今回は、短篇集『素直な狂気』(赤川次郎著、角川文庫)を手にしました。表題作の『素直な狂気』では、上司である北村部長の信頼厚い40過ぎの松山寿哉が、北村の愛人と深い仲になってしまい、妊娠させたことによって面倒な展開になるのを恐れ、彼女を殺してしまいます。その上、殺人の容疑が北村にかかるように細工をします。
完全犯罪になるはずだったのに、鈴木という若者の出現によって、目算が狂っていきます。終電車を前に財布を落として困っていた彼は、松山から施された電車賃300円をどうしても返したいと、松山の周辺に何度もやって来ます。何ともやっかいなことに、その施したという日は、松山が殺人を実行した当日だったのです。
鈴木の正体とは? その目的とは? 意外な結末が待ち受けています。
やはり、頭の疲労には赤川作品が効きますね。