榎戸誠の情熱的読書のすすめ -3つの読書論・ことばのオアシス・国語力常識クイズ(一問一答!)-

巨大地震で倒壊したビルの地下2階に生き埋め状態で閉じ込められた女と男の物語・・・【情熱的読書人間のないしょ話(2256)】

【読書クラブ 本好きですか? 2021年6月16日号】 情熱的読書人間のないしょ話(2256)

ヤブカンゾウ(写真1、2)、ヘメロカリス・サイテーション(写真3)、ハイビスカス(写真4、5)、ネジバナ(写真6)、フサフジウツギ(ブッドレア。写真7、8)、クチナシ(写真9、10)が咲いています。

閑話休題、コミックス『黄昏流星群(64)――闇からの星還』(弘兼憲史著、小学館)に収められている「闇からの星還」は、巨大地震で倒壊したショッピングモールの地下2階に生き埋め状態で閉じ込められた47歳の独身女性と62歳の独身男性の物語です。

奇跡的に生き残った二人は、それぞれの片足をコンクリートの塊に挟まれているため、一歩も動けません。手を伸ばせ合えば30cmほどの距離なので、死の恐怖を紛らすため、身の上話をします。浅尾里江子は交通刑務所に2年間服役したことを、妻子を亡くしている楠田正和は恐ろしい事実を告白します。

6日後に救助され、それから7日目に意識が戻った里江子は、壊死した左足が切断されたことを知ります。

互いに居所を探し合っていた二人は、漸く1年後に再会を果たします。そして、二人は・・・。

禍福は糾える縄の如し――というように、人生は簡単に諦めてはいけませんね。